<独占インタビュー1>羽根田が語るカヌー銅メダルの真実
――心がけで言えば驚くほどストイックだとか? 「高校時代には3年間、ジャンクフードやお菓子の類は一切、食べませんでした。中3のときに欧州遠征をした際、某ハンバーガーを食べていたんですが、それを見たバルセロナ五輪金、アトランタ五輪銀のイタリアのピエパウロという選手に『それは、我々が食べる食品じゃないぞ!』と注意されたんです。まだ子供。感化されやすい年代でしたから、それを思い切り真に受けて、やりすぎるくらい徹底しました(笑)。清涼飲料や、お菓子、甘いものさえ一切、口にしたことはありませんでした」 ――それは、今でも? 「僕からすれば普通なんですが(笑)。お腹がすいているときに目の前にスナック菓子が置いてあれば一枚は、つまみます。でも自分では買いません。ジュースや清涼飲料水は飲みませんし、お酒もよほどのことがない限り飲みません。スポーツ選手だからというわけでななく、食について健康に気を使っている感じですかね。ただ放っておけば痩せてしまうタイプなので、体重をなるべく落とさないように食べるようにはしています」 ――選手村でもストイックに 「僕にとっては普通の今まで通りの生活で(笑)。浮かれることはなかったです。錦織選手、ボルト選手らにも会いましたが、“あっ”という感じでした。錦織選手、内村選手らを尊敬していますが、フラットに同じ人間。スポーツの世界だからといって神様はいません」 ――スロバキアでの10年間の生活を支えてくれたお父さんと祝杯をあげたいと、いうコメントを何かで読みましたが、さすがにメダルを取ってからは飲んだんでしょう? 「いえ、まだ飲む機会がないんです。お父さんとは、機会があれば一緒に飲みたいのですが、祝杯というものはまだです。まあ一杯で駄目になっちゃうタチではあるんですが」 ――ところで、バラエティー番組の「マツコ&有吉 怒り新党」で6月下旬に紹介されたことを知っていますか? 39歳のあなたの友人という男性からの投稿で「メダルに近い選手なのにマスコミがどこも彼を取り上げないことに怒りを感じています」というもので、タレントのマツコ・デラックスさんは「投稿は本人じゃないか?」との疑惑まで口にしていましたが(笑)。 「帰国して初めて知ったんです。投稿してくれた人に僕は見当をつけていたんですが、その人じゃなかったんですよ。兄貴の先輩が送ってくれたようです。番組は大会前にユーチューブで見ました。ありがたいなあと思いました。マツコさんへの御礼はまだ言えていません。もし会える機会あれば、僕みたいな選手を取り扱ってくれたことにぜひお礼を言いたいです。おまけにニックネームまでつけてもらったので」 (第2回インタビューに続く) (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)