ドローン配送も見据え…都内最大の物流施設オープン【WBS】
「2024年問題」と呼ばれ人手不足が叫ばれる物流業界ですが、首都圏で大型施設の建設が相次いでいます。神奈川県相模原市や千葉県流山市など郊外の施設が多いのですが、東京・板橋区に都内最大の物流施設がオープンしました。ドローンでの配送も見据えた、物流の人手不足を解決する仕掛けを取材しました。 都営三田線の西台駅から徒歩10分、板橋区の荒川近くに2日オープンしたのが、都内最大の物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」です。地上6階建て、延べ床面積約25万平方メートル。賃料は付近の相場より3割ほど高いのですが、既に9割が埋まっているといいます。 最大の理由は配送の効率化を図れる都市部という立地です。この土地は元々日本製鉄の工場跡地で、都心部に珍しい工業専用地域のため、巨大施設を作ることができたのです。土地を管理する日鉄興和不動産と物流施設の実績のある三井不動産が組み、土地の活用を進めました。 屋上には太陽光発電を設置していて、施設内の電気をまかなうだけでなく、余った電力は近隣の学校に供給する仕組みです。三井不動産が様々な施設で培ったノウハウが物流以外の機能に生かされています。従業員などが使える共用ラウンジもオフィスビルやホテルの空間作りの手法で質素になりすぎないようにしました。 実はこうした仕掛けは、物流業界の働き手の確保も意識していて、実際にこの空間に魅力を感じて手を挙げたテナントもいるといいます。 さらに、この施設はドローンの実証実験の場でもあります。施設の点検に加え、将来的にはドローンを使って、普段の配送や災害時の配送などに生かす計画です。ドローン配送の活用も、物流の人手不足問題の解決に役立てられると考えているのです。行政などへの申請なしでドローンの操縦体験ができるエリアもあり、ドローン人材を育成し、そのコミュニティを作る狙いです。 こうしたテクノロジー分野でのコミュニティ作りも、三井不動産が東京・日本橋などで培ってきたもの。様々な仕掛けで、物流業界の人手不足への対応を進めています。 「物流のサプライチェーンを変えるような施設を造っていく。これを続けていくことで、2024年問題の解決の一翼を担うことを進めたい」(「三井不動産」の篠塚寛之執行役員) ※ワールドビジネスサテライト