え? いたの!? 実はユベントスの下部組織出身だった選手(5)ジェノアでレジェンドになった男
イタリアの名門ユベントスでは多くの才能が育つ。それだけに競争は激しく、トップチームに生き残れるのはほんの一握りだ。しかし、トップチームで輝けずとも、その後のキャリアで華を咲かせる選手もいる。今回は、選手や監督として成功を収めてきた、“実は”ユベントス下部組織出身の主な人物を紹介する。
DF:ドメニコ・クリッシト(元イタリア代表) 生年月日:1986年12月30日 ユベントス通算成績:9試合0得点0アシスト ナポリ近郊、チェルコラの出身。その隣町のクラブ、スポルティング・ボッラでの評判が、ジェノアのスカウトの目に留まり、15歳で加入している。その1年後の2003年6月7日に行われたコゼンツァ戦で、セリエBデビューを飾った。そして翌年、ユベントスとジェノアの共同保有の形で、ビッグクラブ入りを実現させた。 ただ、イタリアを代表するクラブのトップチームでは出番が訪れず、06/07シーズンに古巣ジェノアにレンタルで復帰。ここでセリエA昇格に貢献するなどインパクトを残し、翌シーズンにユベントスに復帰したが、2歳年上のジョルジョ・キエッリーニとのポジション争いに敗れてしまった。 結局、2008年にジェノアに完全移籍しユベントスに別れを告げた後は、戻ってくることはなかった。それでも「上手くいかなかったことは事実だ」と回顧するが、「ジェノアに戻り、イタリア代表にも選ばれた」と語り、災い転じて福となったことを強調する。「あのユベントスでの経験によって、とりわけ人間として大きく成長することができた。非難されたことによって今の自分がある」と続けている。イタリア屈指の強豪クラブでは失敗の烙印を押されたが、ジェノアでは必要不可欠な選手となり、通算291試合に出場。クラブ歴代6位を誇る記録を築き、現在はそのジェノアでU14チームを指導し、育成に力を注いでいる。
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