葵わかな

　女優の葵わかな（26）と、俳優の木村達成（30）が15日、東京・太子堂の世田谷パブリックシアターで、16日から開幕する舞台「セツアンの善人」（白井晃演出）の初日前会見およびプレスコールに登場した。 　3人の神様が地上に降り立ち、善人を探そうとする物語。神に選ばれた村一番のお人よし”善人”のシェン・テ（葵）、その恋人ヤン・スン（木村）、村人からの面倒ごとを一掃するためにシェン・テが生み出した架空の従兄シュイ・タ。「人はどこまで善人でいられるのか」という普遍的なメッセージが込められた独劇作家ベルトルト・ブレヒトが第2次世界大戦中、亡命先で書いた代表作。シェン・テとシュイ・タを演じ分ける葵に注目が集まる。 　3日後にはデビュー15周年を迎える葵は「挑戦的な作品。お客さまが入って完成すると思っているので、どんな感想が返ってくるのかすごく楽しみ」とはにかんだ。演じ分けは全てが「大変だった」と苦笑い。特に「男性役は初めて。体のつくり、歩き方、姿勢1つとっても違う。表すのは難しい。白井さんに相談しながら、稽古場では座っているときに自然と足が開くようになりました。自分で、休憩姿勢が偉そうだなと思うようになった」と明かした。 　葵は「80年前に書かれた作品ですが、現代の社会、日本で生活している皆さんに届く内容。変わらず流れ続ける人々の願い、疑問がふんだんに盛り込まれている。軽快なキャラクターや音楽の力を借りて、より皆さまのそばにお届けできるように表現をがんばりたい。楽しんで帰っていただきたいです」と意気込んだ。