災害級の暑さから命を守れ! 熱中症対策とともに“汗をかきやすく体温調整しやすい体になる”こと
地震、津波、台風など自然がもたらす災害はいろいろあるが、「猛暑」もその一つといえるのではないだろうか。近年、災害級ともいえる危険な暑さにより、秋田県内でも“熱中症”が深刻となっている。 熱中症が疑われる症状が出た場合に何ができるのか、専門家に聞いた。 【画像】熱中症の症状が出た場合は水道水くらいの温度で冷やすのが効果的
熱中症から人々の健康を守るために
秋田県のまとめによると、2023年5~9月までに秋田県内で熱中症の疑いで搬送された人は1200人で、統計を取り始めた2007年以降で最も多くなった。 こうした中、熱中症から人々の健康を守るため、気温や湿度などから算出する「暑さ指数」が県内のどこかの観測地点で33を超える場合、気象庁と環境省が「熱中症警戒アラート」を発表している。 4月24日からは、さらに重大な健康被害が生じる恐れがある場合に発表される「熱中症特別警戒アラート」の運用が始まった。 「熱中症特別警戒アラート」は、県内全ての観測地点で暑さ指数が35を超える場合に発表される。 発表された場合、自治体は、事前に指定した冷房の効いた施設を「クーリングシェルター」として住民に開放することが求められる。 また、学校の校長や会社の経営者、イベントの主催者などは、熱中症対策が徹底できない場合、運動やイベントの中止、リモートワークへの変更といった判断が求められる。
重要なのは暑さを“知る”“慣れる”
一方で、熱中症を防ぐには、私たち一人一人の心掛けが必要だ。熱中症が疑われる症状が出た場合に何ができるのか、秋田赤十字病院・救命救急センターの大村範幸センター長に聞いた。 秋田赤十字病院救命救急センター・大村範幸センター長: 最初の段階で起こる症状としては、顔の火照りや体が熱くなる。大量に発汗する。頭に血が行かなくなって目まいを起こす。汗に伴ってミネラルや塩分が喪失するので、それによって筋肉痛が起きたり一部の筋肉のけいれんやこむら返りが起きたりする こうした症状を防ぐため、「暑さを避ける」「涼しい服装をする」「水分・塩分を補給する」といった一般的によく言われる対処法に加え、まずは「暑さを“知る”」ことが重要だという。 大村範幸センター長: 室内での高齢者の熱中症が問題になる。知るということでいえば、体感で暑い・寒いというのではなくて、室温計を見て室温を知ってほしい さらに、「暑さに慣れる」ことも大切だ。 大村センター長は、「暑さに強くなるということではなくて、“汗をかきやすく体温調整がしやすい体になる”ということ。高齢者や運動不足の人、病気を抱えている人は自律神経が弱い。暑さを感じにくい。汗をかきやすい体になるために1日10分でもいいので、汗をかくような軽い運動や入浴、サウナでもいいかもしれない」と語る。