【60歳代おひとりさま】貯蓄ゼロの割合は?2024年度の厚生年金額例「1人分は月16万2483円」に
2024年度の厚生年金額例は1人分で「月16万2483円」に
老後生活の柱となるのは「公的年金」です。 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、まずは厚生年金と国民年金の平均的な年金月額を見ていきましょう。 ●国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額一覧 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 ●厚生年金の平均年金月額の平均受給額一覧 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む 国民年金は5万円台、厚生年金は14万円台でした。 厚生年金は会社員や公務員などが加入するもので、収入に応じた保険料を支払います。 つまり、加入期間や納めた保険料によって、将来の受給額は大きく変わります。ねんきんネットなどを利用して、ご自身の将来の受給予定額は早くから確認しましょう。 また、年金額は毎年度改定されます。2024年度の年金額は以下の通り。 ●令和6年度の年金額の例(国民年金と厚生年金):月額(前年度比) ・国民年金(満額):6万8000円(+1750円)昭和31年4月1日以前生まれの方は月額 6万7808 円(+1758 円) ・厚生年金※:23万483円(+6001円) ※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。 厚生年金はモデル夫婦の金額例となっているため、1人分とすると「16万2483円」になります。先ほどみた、男性の平均額と同程度となります。 ただ、上記はあくまで金額例のため、個人差が大きくなります。ご自身についてを確認しましょう。
年金の「手取り額」は毎年度変わる。公的年金以外の備えを
毎年度年金額が改定されるので、基本的に年金の手取り額は毎年度変わります。その手取りの中で家計を考えていくことになりますから、その年の年金額については確認しましょう。 年金を受け取り始めると、金融機関等で口座振込で年金を受け取られている方に対しては、6月から翌年4月(2カ月に1回)まで毎回支払われる金額が記載された「年金振込通知書」が郵送されます。 年金は2カ月に1回支給され、4~5月分は6月に支給されますので、今月の年金額は増額された金額となります。 しかし、マクロ経済スライドによる調整で、実質的には目減りですから、公的年金以外の備えは必要でしょう。 いつからをセカンドライフとするかは人によって異なりますが、いずれにせよ現役時代から老後に向けてコツコツ貯めていくことが重要です。年金への不安が高まっているからこそ、早くから少しずつ、老後に備えていきましょう。 ● 【参考】60歳代・ひとり世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む) ・金融資産非保有:33.3% ・100万円未満:8.5% ・100~200万円未満:4.7% ・200~300万円未満:2.8% ・300~400万円未満:4.3% ・400~500万円未満:2.4% ・500~700万円未満:3.5% ・700~1000万円未満:2.8% ・1000~1500万円未満:6.6% ・1500~2000万円未満:4.5% ・2000~3000万円未満:8.0% ・3000万円以上:15.1% ・平均:1468万円 ・中央値:210万円
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
宮野 茉莉子