女子プロレス界に大激震! 元スターダムEP・ロッシー小川氏が旗揚げした注目の新団体『マリーゴールド』とは?「スターダムのライバルは自分で作るしかないなと思っていたんです」
――今後は海外からの参戦もあるでしょうし、イヨ・スカイ(紫雷イオ)を始め、カイリ・セイン(宝城カイリ)やトニー・ストームなど、スターダムを経由して世界で活躍する彼女たちが参戦したりも......。 小川 ふふふ。そういう人が試合をやれる環境があればいいかな。 ――おーっ! 意味深な発言(笑)。 小川 マリーゴールドは「黄金の花園」なので、参戦するみんなが輝いてほしいんですよね。大輪の花が咲く人もいれば、一輪の小さな光を放つ人もいるかもしれないし、花の色も大きさも人それぞれだけど、大きな花も小さな花もひとつです。 これからみんなが色をつける団体だから、ここだったら面白いこと、新しいことができると来るんだろうし、自由にやってもらいたい。 今の時代って、みんないろんなことやりたいわけでしょ。二刀流じゃないけど、女優と兼業の人がいてもいいし、プロレスに専念する人はすればいい。そこは柔軟に、あれはダメ、これはダメって、決めつけないこと。 ――決めつけないからこそ、プロレスは面白くなると。 小川 そう。「リングで何を見せられるか」なので、リングに上がれば団体の大きい小さいは関係ない。ただ、やってる方が楽しくないと、見てる方も感じられない。だからみんなが楽しく充実してやっていけて、それなりの給料がもらえて、こちらも支払えるように、今は起きてから寝るまでめいっぱいやってますよ(笑)。 ――ちなみに小川さん自身は97年に「アルシオン」、2011年に「スターダム」を設立し、3度目の団体設立になります。 小川 でも別に、新しいことを始めるのが好きというわけでもなくて。強いて言えば、歴史を作っていくのが好きなんですよ。スターダムを作ったときも、歴史を作る過程だと思ってやっていた。 ――まさしくビューティ・ペア、クラッシュ・ギャルズなど昭和のスター選手をマネジメントし、平成にはグラドルレスラー愛川ゆず季を輝かせ、女子プロレスの歴史を作ってきたとも言えますよね。あと今後のスターダムとの関係も気になります。 小川 敵対してはいないけど、意識はしてますよ。自分が作った団体なので、スターダムはスターダムで頑張ってもらいたい。だけど我々は下部団体ではないので、それとは別にやっていきます。 何年か前から、スターダムのライバルは自分で作るしかないなと思っていたんです。それが今、実現して、高橋奈七永とか風香とかスターダムの最初のメンバーも集まって、これからどう一歩を踏み出すかというところ。大きなものには飲み込まれないようにやりたい。 ――スターダムとそのライバルとしての「マリーゴールド」の違いとは? 小川 フロンティアスピリットですね。スターダムは良くも悪くも、サラリーマン化している部分がある。どうしても組織が大きくなると、スタッフにもレスラーにも制約が出るから。我々はそうではなく、開拓者なんです。 ――確かに組織が大きくなると、「何が起こるか分からない」という未知なるスリルや、我を忘れるような熱さは減るかも...。マリーゴールドは何の規制もなく、選手の熱いアイデアや願いを実現できるフロンティアだと! 小川 そう、その精神が大事なので。みんなが自発的にやってくれればいい。報告は受けるけど、却下することはない。我々はフロンティアスピリットで、できあがっている仕組みに乗っかるんじゃなく、これから作っていくんです。 我々は長い経験があるだけじゃなくて、時代に合わせて常に進化してるんですよ。かつての昭和プロレスのいいところを、令和の新しい団体がミックスしていけば、もっと面白いことが起こるんじゃないかな。コンプライアンスはありませんから! まずは旗揚げ戦で、何が起こるかを見に来てください。 ●ロッシー小川78年に全日本女子プロレスに入社し、80年代から90年代にかけて女子プロレスブームの立役者に。2011年に設立した「スターダム」を19年にブシロードに譲渡してからはエグゼクティブプロデューサーを務めていたが、24年2月に電撃退団し、新団体「マリーゴールド」の旗揚げを発表した。 ■大会スケジュールは「マリーゴールド」公式HP ■WRESTLE UNIVERSE でも配信! 取材・文/明知真理子 撮影/武田敏将