「表現の不自由展」問題で「対立」激化 愛知県知事と名古屋市長の関係はもはや修復不可能?
大プロジェクト控え懸念される「敵対関係」
2009年の名古屋市長選に初当選した河村市長から出馬を要請され、2011年に愛知県知事となった大村知事。当初は「盟友」と見られていましたが、共通の公約であった「10%減税」や「中京都構想」などで徐々に路線の違いが表面化。近年は国際展示場(市が検討していた同規模の施設を県が別の場所で建設を決め、今月末に開業)の建設や2026年のアジア競技大会共催、名古屋城天守閣の木造化などをめぐって公然と批判し合うまでになっていました。互いの職員同士も、当たり前のコミュニケーションができないほどの険悪な状況が漏れ伝わってきています。 県、市の施策に詳しい名古屋学院大学現代社会学部の江口忍教授は「今までは不仲といっても『そちらはそちらで勝手にやってくれ』というぐらいだったが、今回の件で完全に『あちらのやることはけしからん』とつぶしにかかるほどの敵対関係に変わってしまったのではないか。この先、アジア大会やリニア、ジブリパークなど、県市が共同で取り組まなくてはならない大型プロジェクトが目白押しで心配だ。有権者としてはそれぞれに言っていることをしっかり見聞きして、次の選挙できちんと選択をするしかないだろうが…」と困惑を表します。 何も動きがなければ市長選は2年後、県知事選は4年後。それまで市民、県民の「不自由」は続くのでしょうか。 (関口威人/Newdra)