東部ブフレダルが陥落の瀬戸際に ウクライナ、戦線拡大で厳しい代償
逆侵攻に予備兵力を投じた結果、東部の防御のほころびが加速
OSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのアンドルー・パーペチュアは「ウクライナはブフレダル周辺をロシア側に明け渡すため、時間をかけて徐々に軍を撤退させたという印象をもっている」とソーシャルメディアに書き込んでいる。 ブフレダルが双方にとってどれくらいの価値があるのかは議論の余地がある。ブフレダルは南部戦線と東部戦線が交わる要になっているが、同じ役割は数km北に位置するボホヤウレンカ村でも果たせるかもしれない。時間がたてばおのずとわかるだろう。いずれにせよボホヤブレンカは、第72機械化旅団がブフレダルから撤退した場合、代わりの拠点になる公算が大きい。 米首都ワシントンにあるシンクタンク、戦争研究所(ISW)は24日の戦況評価で「ロシアがブフレダルを攻略しても、それによってドネツク州西部での攻勢作戦の趨勢が根本的に変わる可能性は低い」との見解を示している。とはいえ、これまで長く持ちこたえてきたブフレダルが、なぜここへきて陥落しそうになったのかは問う価値がある。 答えは明白である。ロシア軍はこの戦争の1000kmにおよぶ戦線で過度に拡張しているが、戦力に劣るウクライナ軍はそれに輪をかけて拡張し過ぎているからだ。ウクライナ軍参謀本部が先月に8個かそこらの旅団にクルスク侵攻を命じる前から、東部の防御はほころびつつあった。 現在、そのほころびに拍車がかかっている。
David Axe