芸人の開花させる「全力!脱力タイムズ」の凄い作られ方 制作陣が語る「誰も見たことがない笑い」の裏側
「100人全員を笑わせるのは不可能だと思うんですよ。絶対、自分の感性で笑わせたいという気持ちもある。1人でも引っかかって笑ってくれたら嬉しいんですけど、冠番組だと、1%じゃダメなんですよね。最大公約数を取りにいかないと。テレビというメディアは視聴率を取らないと続いていかないので。自分のやりたい方向に何かを足さないと、ある程度の数字は出てこない」 【「とんねるずは死にました」―戦力外通告された石橋貴明58歳、「新しい遊び場」で生き返るまで/Yahoo! JAPAN・RED Chair】
自分たちが追求する笑いをマニア向けにとどめるのではなく、どうやってマスに届けようとしているのだろうか。 「こちらのほうが面白いと思うものをひたすら提供し続けること、でしょうか。滝沢カレンさんのコーナーが当たったり、番組の雰囲気が出てきたり、めったにテレビに出ない有名な俳優さんが『脱力』の世界観でふざけていたり、そうしたことの積み重ねが数字につながっていったのかなと思います」(カツオ氏) テレビである以上、視聴率を取ることは大前提、とラリータ氏も続ける。
「簡単ではないですが、最大公約数にできるだけ近づける努力をしないと、『これは僕らがやりたいことだから見てもらわなくてもいい』となったら終わりなんです。『脱力』は日本一視聴率を取るためにやってます。例えば電車に乗っている時に隣でTVerで『脱力』を見ている人がいると、本当に『ありがとう!』と嬉しくて抱きしめたくなるんです。視聴者の皆さんに感謝しつつ、『今回は何をやるんだろう』とワクワクする放送を心がけて、これからも芸人さんやゲスト俳優さんの魅力を出していきたいなと思います」(ラリータ氏)
最後に、素朴な疑問をぶつけてみた。そもそもなぜ『全力! 脱力タイムズ』という番組名なのか、ずっと気になっていた。 脱力はもともと、世界各国の脱力してしまうニュースを解説者が徹底解説していくというコンセプトだが、「全力」というのはいったい何に対して? そう聞くと、ラリータ氏はこう教えてくれた。 「『脱力』はそのまま、ドキュメント+コントを主体にした設定を示していて、『全力』はアドリブで対応するゲスト芸人、対応する出演者、スタッフの姿勢を表しています」