鹿屋航空基地拠点に日米共同訓練、11月の3日間実施 米軍P8A哨戒機が駐機、隊員も民間ホテル宿泊 自衛隊と相互運用向上はかる
海上自衛隊第1航空群司令部(鹿児島県鹿屋市)は8日、11月8日から22日までの3日間、米軍嘉手納基地所属のP8A哨戒機1機が飛来すると発表した。日米共同訓練の一環で期間中に複数回離着陸し、米海軍の約20~30人が鹿屋航空基地外の民間宿泊施設に滞在する予定。 【写真】〈関連〉鹿児島県ホームページに掲載された「鹿屋基地を利用した日米共同訓練」と題した防衛省資料
同司令部によると、鹿屋基地と四国沖、東シナ海で対潜水艦戦や情報交換の訓練を計画し、自衛隊と米軍の相互運用向上を図る。第1航空群のP1哨戒機1機約15人も参加する。鹿屋基地へ離着陸する日程などの詳細は訓練開始1週間前をめどに防衛省海上幕僚監部が発表する。 塩田康一鹿児島県知事は8日、九州防衛局と第1航空群司令に対し、住民の安心安全確保や、事件・事故が発生した際の速やかな情報提供を文書で要請した。 米軍は、2022年11月から約1年、鹿屋基地で無人機MQ9を運用した。最大200人の米兵が駐留し、市内のホテルに宿泊。23年8月には無人機が滑走路を逸脱するオーバーラン事故が発生した。米軍は1年で展開を終え、沖縄県の嘉手納基地へ移駐した。 同市と九州防衛局はMQ9の配備を巡り「米軍基地化させない」との協定を結んでいたが「計画終了後はこの効力を失う」と付記されている。
南日本新聞 | 鹿児島
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