【マリーンS】去勢&ダート替わりで輝き取り戻したキングストンボーイ 千島助手「ポジションさえ取れればチャンス」
6日函館メインのマリーンS(OP、ダ1700メートル)に挑むキングストンボーイ(美・鹿戸、騸6)が、かつての輝きを取り戻しつつある。今年初戦のポルックスSでダートに初めて挑み、0秒3差4着に健闘。続く総武Sでも上がり3ハロン最速の末脚で5着に入ると、前走・平城京Sでは好位から脚を伸ばして2着に好走した。 「ダート適性があってキックバックを嫌がらないのもそうですが、去勢したのが体になじんできたのだと思います。ダートを使ったタイミングで馬体重も戻っていましたからね」 千島助手が復活の要因を明かす。2022年12月のディセンバーS(13着)後に去勢。休み明けのメイS(14着)では18キロ減の488キロだったが、ポルックスSでは502キロとほぼ去勢前の馬体重まで戻っていた。本来の馬体に回復したことが、今の波が少ない成績につながっている。 藤沢和厩舎所属時に青葉賞でハナ差2着するなど、将来を嘱望されてきた素質馬。しかし、なかなか重賞タイトルに手が届かず、勝利自体も2歳11月のベゴニア賞以来、遠ざかっている。「芝のときは後方で脚がたまっていると思っても、気持ちが空回りして不発に終わっていた」(同助手)と激しい気性がネックになっていた。しかし、去勢の効果で精神面が劇的に変化。「去勢前はもっとカリカリしていたけど、去勢してからは気持ちがゆったりしたし、落ち着いていますね。それがレースでいい方に出ています」と分析する。 「100メートル短縮は気にしなくていいし、(岩田康)ジョッキーも2回目。状態も高いレベルで安定しているので、ポジションさえ取れればチャンスはあると思います」と千島助手は色気たっぷりだ。約3年半ぶりとなる白星をゲットし、完全復活を告げる。(綿越亮介)