必要な免許持たない船長が観光ゴムボート航行、運航会社に安全確保命令…9月に乗客が腰の骨折る事故
運航上必要な操縦免許を持たない船長に観光用小型ゴムボートを運航させたとして、国土交通省神戸運輸監理部は24日、観光船を運航する「ジョイポート淡路島」(兵庫県南あわじ市)に海上運送法に基づく安全確保命令を出した。
発表によると、同社は7月20日~9月中旬に約120回、必要な「特定操縦免許」を持たない船長2人に福良港沖などで小型ゴムボートを運航させた。2人が持っていた操縦免許は、乗客を乗せて航行できるエリアが沿岸部に限られているものだったという。
同社の小型ゴムボートでは、9月15日に乗客の60歳代女性が腰の骨を折る事故があり、徳島海上保安部が捜査。神戸運輸監理部が10月24日に立ち入り検査を行い、乗船基準に違反していることが判明した。
命令では、安全管理規定の順守を行うなどの措置を講じ、来年1月23日までに文書で報告するよう求めている。同社の鎌田勝義社長は「免許制度の理解が不足していた。真剣に受け止め、安全運航に努めたい」と話した。