木星圏探査機が重力ターン 月、地球連続は高難易度
日本も参加する欧州主導の木星圏探査計画「JUICE」で、昨年4月に打ち上げた探査機が今月、月と地球の重力を連続で利用して速度や方向を変えるスイングバイ(重力ターン)を実施する。欧州宇宙機関(ESA)は「わずかなミスがあれば計画は終わる」としており難易度は高いが、燃料節約と大きな加速ができる利点がある。 日本とスウェーデンなどのチームは通過時の月面観測も計画している。 JUICEは地球から7億8千万キロの木星圏を目指し、到着は2031年、観測終了は35年という壮大な計画。木星とエウロパ、ガニメデ、カリストという氷衛星などからなる木星圏は「ミニ太陽系」とも呼ばれ、太陽系の起源に迫れると期待される。探査機を木星へ直接向かわせるには大量の推進剤が必要。そのためスイングバイで推進剤を節約し、天体の重力を利用して適切な速度と方向で到着させる。 探査機は日本時間20~21日に月と地球に最接近する見込み。