50万円のダブルベッドより8000円のシングル2台がいい…睡眠の質を高める「正しいベッドの選び方」
■「2人で140cm」では疲労がたまってしまう 結局、人は狭いとリラックスできないんです。たとえばダブルは2人で寝ることを前提にしていますが、その幅は140cm程度。シングルは100cmなのに、2人で140cmだと、1人あたり70cmなので狭すぎます。 男性の場合、普通に寝たら100cm、つまりシングルいっぱいの幅が必要になります。そうすると、女性に残されるのはわずか40cmしかありません。40cmの狭さでは、自由に寝返りも打てません。寝返りを打たないと、血流が悪くなって疲労がたまってしまいます。 だから、大事なのはマットレスの広さであって、高級かどうかはあまり関係がないんです。寝室で2人で寝る場合は、50万円の狭いダブルベッドよりも、8000円のシングルベッド2台のほうがはるかに睡眠の質はよくなります。 見落とされがちな「広さ」ですが、これがいちばん重要なのです。 ■「+20cm」の選択で人生は大きく変わる できればセミダブル(約120cm)に1人で寝るのが理想です。快適な寝返りを打つには、セミダブルくらいの広さがあったほうがいいからです。ちっちゃな布団はあくまでも、仮眠用と考えてください。 「寝るだけだから狭くていいじゃん」と考えるか、睡眠は1日の3分の1も過ごすことになるから、それを快適にしたほうがいいと考えるか。ここにどういう価値観を持つかは、とても重要です。 広いベッドは一見すると無駄に感じるかもしれません。ベッドが広くなると部屋が狭くなってしまいます。でも、シングルをセミダブルに変えることで、20cm分、寝返りを打てる幅を増やすことができれば、それで得られる快適さは相当なものがあります。 部屋が狭くなることよりも快眠を優先するという考え方ができれば、人生が大きく変わっていくことでしょう。 ---------- 角谷 リョウ(すみや・りょう) スリープコーチ 上級睡眠健康指導士、日本睡眠学会会員、日本認知療法・認知行動療法学会会員、日本サ ウナ学会員。ライフリー株式会社を立ち上げ、NTTドコモ、サイバーエージェントなどの法人を中心に、14万人の睡眠改善をサポートしてきた実績をもつ。短期間かつ高確率(受講者の90%以上)で効果を感じられる実践法を得意とする。最近の趣味は瞑想。瞑想でアルコール依存症を克服し、月2回・適量飲酒にまで改善した。 ----------
スリープコーチ 角谷 リョウ