<わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!>こむぎが走る! 止まらない! CGならではの表現を 宮原直樹監督インタビュー
モフルンは、朝日奈みらい(/キュアミラクル)が、小さい頃に、祖母からもらったぬいぐるみで、奇跡の力でしゃべるようになる。みらいとモフルンの関係は、「わんだふるぷりきゅあ!」の飼い主と動物の関係に近いところもあり、「魔法つかいプリキュア!」が登場することになったようだ。
◇オーソドックスではないかもしれない
宮原監督はこれまでも「プリキュア」シリーズの数々の作品に参加してきた。犬や猫がプリキュアに変身するなどこれまでにない挑戦も話題の「わんだふるぷりきゅあ!」の魅力をどのように感じているのだろうか?
「動物と飼い主は家族のような関係です。飼い主は動物に対しても絶対的な愛情を注ぎ、動物と飼い主には絶対的な信頼関係があります。その関係が、これまでのプリキュアとは違う魅力になっていますし、それがベースとなってチームが成立しています。映画でもその魅力を表現しないと、テレビシリーズと根底でつながらないと思っていました。ゲームの世界に入ったこむぎは、いろはを信じて『一緒に帰るぞ!』と必死に走ります。心の底からお互いを求めているところをきちんと描こうとしました」
舞台がゲームの世界、3世代プリキュアの共演、大福がしゃべって変身する……と盛りだくさんな作品でもある。
「ゲームの世界と現実を行ったり来たりしますし、要素が多く、欲張りな作品なので、構成としては、オーソドックスではないかもしれません。ただ、出来事と出来事がちゃんとつながるように展開を分かりやすくしようとしました。下敷きにあるのは、遊園地のように楽しめて、見ている子供たちが飽きないようにすることです。そこをブレないようにして、しっとり丁寧に描写するところもありますが、止まらない、走り続けるアニメにしようとしました。最初から“こむぎが走る!” その思いの深さも合わせてしっかり見せようとしていました」
劇場版のポスターには、こむぎたちが走る姿が描かれている。劇中でもこむぎが二足で必死に走る姿が印象的だ。宮原監督らスタッフの挑戦にぜひ注目してほしい。