長野県松本市の松林さん宅で明治の城下町地図発見
長野県松本市渚2の松林孝和さん(66)宅の土蔵から、明治初期の松本城下町の各戸を詳細に記した地図が見つかった。女鳥羽川から南側の中町や伊勢町、本町などの様子が分かる貴重な資料となっている。 「深志改正河南分間絵図」との題名が表紙に書かれた地図で、広げると2畳ほどの大きさになる。現在の中央1~3丁目、深志2~3丁目付近に当たる地区で、1戸ごとに世帯主と間口の広さ、坪数が記されている。現在の松本郵便局の場所に妙心寺、松本パルコの場所には開智学校の女学校がある。 松本パルコより西側は田畑や原野となっていたり、現在は水路となっている深志神社(深志3)の脇を流れる長沢川が女鳥羽川と同様の川幅で描かれていたりして興味深い。 各通りの幅も記されていて詳細に測量されたものとみられ、地図を調べた市の国宝旧開智学校校舎の学芸員・遠藤正教さん(40)は「明治6(1873)~9年ころのものだろう」と話す。 江戸時代の天保15(1844)年に書かれた中町の各戸の宗門を調べた地図も見つかった。これには寛文4(1664)年のものを改めたことが分かる表紙書きがある。 これらの地図がなぜ土蔵に保管されていたのかは謎だが、松林さんは「地元の人にとってはご先祖さまを知ることができる貴重な資料。画像データ化するなどして残したい」と話している。
市民タイムス