新東名55キロ区間開通 それによる経済効果は?
2016年2月13日 新東名 豊田東―浜松いなさJCT間開通 THE PAGE愛知
新東名高速道路の豊田東(愛知県豊田市)―浜松いなさ(静岡県浜松市)ジャンクション(JCT)間の約55キロが13日、開通した。これにより御殿場(静岡県御殿場市)―豊田東JCT間の約200キロがつながり、新東名全区間のうち8割が開通したことになる。ほぼ並行する路線の東名高速道路や、関西方面への主要道・伊勢湾岸自動車道との接続で、東京・名古屋・大阪の3大都市圏連携が強化。日本の大動脈の1つとして交通分散による渋滞緩和や観光、産業の活性化などが期待される。
開通による交通分散で渋滞削減
新東名は全長約253キロで、東端の海老名南JCT(神奈川県海老名市)と西端の豊田東JCTを結ぶ道路。未開通の海老名南―御殿場JCT間は建設中で、全面開通は2020年度の見込み。 今回、豊田東―浜松いなさJCT間が開通したことで期待される効果は、渋滞緩和。中日本高速道路のデータによると、東名高速道路の三ヶ日(静岡県浜松市)―豊田(愛知県豊田市)JCT間では、速度40キロ以下の状態が1キロ以上の長さにわたり、15分以上継続した状況を渋滞1回と数える場合、2014年は年間600回程度の渋滞が起きていた。 今回の開通により、新東名に車両が流入して交通分散が起きる。このことから同社では、東名の同区間の渋滞が8割程度削減されると見込む。新東名は東名と比べてカーブや勾配がゆるやかに作られていることも、快適な走行を助ける。
日帰り観光圏域の人口が増加
具体的には、御殿場―豊田JCT間の所要時間は、東名利用で約3時間かかっていたが、新東名利用で最大1時間短縮。交通分散の影響で東名利用の場合でも50分短縮になるという試算がある。 東名で大規模工事による車線規制がある場合も、新東名が代替路として機能するため、渋滞などの交通影響を軽くする効果も期待できる。 観光や産業に与える好影響も見込まれる。開通区間の沿線地域には、愛知県の新城市や設楽町、東栄町、豊根村がある。 この4市町村は愛知県の奥三河地域と言われ、温泉や滝、山などの景勝地がある。今回の開通により、奥三河地域への最短所要時間が1時間30分という日帰り観光圏域の人口が、400万人増加することから、観光客増加が期待される。