ドラマライターが観るドラマを選ぶ基準とは? 2024年、もっともハマったドラマは? 映画チャンネルドラマ座談会【後編】
2024年のドラマを振り返るドラマ座談会を開催。後編では3名のドラマライターが2024年に放送された全ドラマの中から、推しドラマやいまいちハマれなかったドラマを語りつくす。それぞれの魅力を深掘りし、共感ポイントや俳優、脚本の魅力に迫る。ドラマファン必見の座談会レポートをお届け。(文・編集部)
ドラマライターがハマった2024年ドラマ作品は?
―――年の瀬ということで、2024年のドラマ全体を振り返ってみて、個人的に特にハマった作品は何でしょうか? まっつ「ぼくは4月期の『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系/以下『アンメット』と表記)です。一番熱心に、毎週リアタイで観ていました。お話も面白いし、杉咲花さん、若葉竜也さん筆頭に役者の演技と熱量が素人目に見ても凄かったですし、話題にもなりましたよね。『不適切にもほどがある!』(TBS系)もハマってました」 あまの「『アンメット』はやっぱり面白かったですよね、同クールだと『95』(テレビ東京系)も面白かったです」 苫「『アンメット』はやっぱり入りますね。『宙わたる教室』(NHK総合)とか『無能の鷹』(テレビ朝日系)も凄く良かった。秋季は特に良作が揃っていて、他にも沢山挙げたくなるんですけど」 あまの「秋季は重厚というか骨太な作品が多いなと個人的には感じていて、その中で『無能の鷹』のような視聴者の気持ちを軽くしてくれるようなドラマは良いですよね。ああいう作品、もっと欲しいです(笑)」 苫「『無能の鷹』は自分が小~中学生の頃に好きだったドラマと雰囲気が似ている気がするんです。近年は、良くも悪くも重厚な作品が増えている傾向がある中で、『無能の鷹』も今時の社会的なテーマを取り扱いつつも、コメディのベクトルでやっているところが良い。メッセージ性を持たせてる一方で、その伝え方がすごく軽やかで、金曜11時の夜の枠に最適だったと思います」 まっつ「コメディ的な面白さはもちろんありつつ、例えば“優しすぎると損をする”ととか各話ごとのテーマが、普通に日々働いている社会人も自分事としてとらえられる面白さがありますよね。この、くだらないけどちょっと考えちゃう、というのは原作漫画からしてそうなんですが、その原作の良さを、上手くドラマに落とし込んでいるのが良かったんだと思いますね」