ドラマライターが観るドラマを選ぶ基準とは? 2024年、もっともハマったドラマは? 映画チャンネルドラマ座談会【後編】
ドラマを観る基準とは?
―――皆さんは、ドラマを観る基準は何で決めていますか? 苫「やっぱり主演はドラマの看板なので大事だと思います。あとは、その人の作品選びの基準があるのか、この人が出演する作品は面白いっていう傾向はやっぱりあると思うんですね。例えば、杉咲花さんと中村倫也さんが出てたら私は絶対観ます」 あまの「私は主演、助演にかかわらず、田中圭さんが出ている作品はつい観ちゃいます。田中さんは出てる作品毎で全く違う役柄を本当に見事に演じられているので、今回はどんな感じになるんだろうって、色んな面を見たくてワクワクする役者さんですね」 まっつ「僕はお2人ほどの本数を観ているわけではないので、『なるべく外さない』を念頭に置いて視聴作品を選んでいる気がします。僕に限らず、今はコスパ・タイパ重視の方は多いと思うのですが、基本的に時間を無駄にしたくないという意識が常にあります。例えば今期の『ライオンの隠れ家』(TBS系)も、柳楽優弥さんが久しぶりに地上波のドラマに出るということは、脚本がしっかりしていそうだな、とかは事前に考えますね」 ―――観る基準に、脚本家さんは関わってくるのでしょうか? あまの「好んで観る方はいます。秋季でいうと『全領域異常解決室』(フジテレビ系/以下『全決』と表記)は黒岩勉さんだから注目したところはあります。ただ、知らない方だから見ないという選択にはならないです。観る理由を強化する材料の1つといいますか」 ―――今年全体を振り返ってみていかがでしょうか? 苫「2024年を振り返ると『3000万』『アンメット』のような、“演技をしていない演技“が求められているのを感じました。最近だと『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)で神木隆之介さんが杉咲花さんへの告白するシーンが、リアルだと話題になっていましたし。ドラマなんだけどドキュメンタリーらしさというか。俳優さんも交えて、話し合う時間があったり、”どれだけリアルか”に注力している作品が多かったと思います。平成あたりのドラマを観返すと、こんなに演技演技してたのかと驚きますね」 あまの「リアルさが強調される作品が増えてきた一方で、ファンタジー要素のある作品も結構ありますよね。『全決』はまさにそれで、登場人物が“神様”っていうトンデモ設定も、呑み込めるまでの助走がしっかりあったので、すごく面白かったです。総合すると、リアルを追求したお話も、いかにもフィクションだっていうお話も作り込まれていればどれも面白いということかなと思います」 (文・編集部) 【出席者プロフィール:苫とり子】 1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。 【出席者プロフィール:あまのさき】 アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。 【出席者プロフィール:まっつ】 1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
編集部