学生時代からオタクの吉野と何にもハマれない原。正反対だから成り立つ、めぞんのコンビバランス
ようやくバレ始めた原の変な部分
──原さんはこれまで何かに熱中した経験はないんですか。 原 ないですね……。学生のころも中高の6年間で部活を5個やってるんです。ラグビーを半年で辞めて野球をやって、高校に入ってからは空手を1年で辞めて、ロボコン部も半年で辞めて演劇部に入って……。 吉野 本当にありがたいです。隣にいるのがこういうやつでよかったなと思いますね。 ──吉野さんは学生時代から変わらずアニメやゲームが好き。 吉野 そうですね。最近、僕が中高生ぐらいのときに書いてたなろう系小説(『小説家になろう』に投稿された小説)がファンの人に発掘されたんですけど、何ひとつ変わってなかったですね。「威蘇迅(いそじん)」っていう名前でネット上に生息してたんですけど、それをラジオで話したら、ファンの人が見つけて。 原 僕はそれを読んだとき、こいつはやりたいことがすっとブレずにあるんだなってうらやましくなりました。自分が好きなものにこんなにもずっとまっすぐな人間がいるんだって。 ──でも、その違いがコンビのバランスのよさにつながってるんですね。アニメ好きな吉野さんのイメージがそのまま、めぞんのイメージになっていますし。 原 吉野も最初は自分がオタクだっていうのを言っていいのかな、ネタにしてウケるのかなって思ってたんですけど、それを笑いにしていく技術がどんどんついてきて、最近はよりここを武器にしていこうっていう覚悟を感じますね。 吉野 自分が好きなことをしゃべってウケなくて場が凍りつく、みたいなのも怖くなくなりました。大前提、ウケると思ってしゃべっているんですけど、最悪ウケなくてもいいかなと。 原 僕も吉野は凍った空気に耐えられるメンタルを持ってると信じてるんで。 吉野 凍りついた先が見たいみたいに思っちゃいがちではありますね。ふたりとも。でも、原も優しい顔して、僕がスベってるところを見たいって言ってるのも変じゃないですか(笑)。 ──たしかに(笑)。自分もめぞんなのに。たまたま隣にいた人みたいな温度ですよね。 原 (笑)。なんか刺さりました。 吉野 そうですよね。普通、一緒に焦るはずなのに、勝手に僕をワイプで見てるみたいな。最近はこういう原の“変”な感覚がイジられるようになってきて、原が変なことを言っても、ちゃんとおもしろくなるんで、よかったなと思いますね。 原 たしかに変な人だってイジってもらえたことで、自分のツッコミが間違ってても、変なやつだからな、みたいなフェーズになったんで怖くなくなったかもしれないです。 ──原さんのおもしろがり方もお客さんに伝わってきたんですね。 原 でも、変な人って思われるのはちょっと嫌ではありますよ。まともな人間だと僕は思って生きてきたんで。 吉野 原は僕が変だよって言っても理解してくれなかったんで、昔、「まともな人を見て、その人のマネしてくれない?」って言ったことがあって。 原 僕は僕で吉野のことを変だと思ってるんでそれは全部無視しました。人格を強制しようとしてくるやつが「普通の人になってくれ」って言ってくるの、矛盾してるじゃないですか。 吉野 でも、それで揉めることは一切なかったですね。お互いちゃんと無視するんで。