温室効果ガスの観測情報集約、国内外へ提供…COP29で国立環境研究所が構想発表へ
【バクー=天沢正裕】国立環境研究所は、地球温暖化の原因となる温室効果ガス(GHG)の観測情報を集約する「日本版GHGセンター」(仮称)を、来年度にも発足させる方針を決めた。アゼルバイジャンの首都バクーで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で、14日にも構想を発表する。 【年表】COPの歴史
GHG(Greenhouse Gas)は、二酸化炭素(CO2)やメタンなど温室効果ガスの総称。国環研や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが開発した温室効果ガス観測衛星は地球全域を対象にしている。気象庁、海洋研究開発機構(JAMSTEC)などは、地上観測設備や航空機、船舶による観測を行っているが、これまではばらばらに公表されていた。
日本版GHGセンターは、こうした情報をとりまとめ、研究機関や民間企業が活用できるように国内外へ提供する。温室効果ガス排出削減に向けた政策決定や研究、民間のサービス開発などに活用されることで、気候変動対策を加速させることを狙う。
米国は昨年、アラブ首長国連邦(UAE)の首都ドバイで開かれたCOP28で、GHGセンターの設置を表明した。米航空宇宙局(NASA)や米環境保護局(EPA)、米海洋大気局(NOAA)などが共同運営を始めている。