中国で流行中のウイルス性呼吸器疾患についてわかっていること(海外)
中国でヒトメタニューモウイルスが拡大しているが、専門家は新型コロナウイルス感染症の再来ではないと話している。 ヒトメタニューモウイルスは、新型コロナウイルスとは異なり、何十年も前から存在し、感染の仕方や対処方法もわかっている。 しかし、中国は依然として状況を監視し、制御する必要がある。 中国の武漢で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行し始めてから5年が経過し、呼吸感染症を引き起こすヒトメタニューモウイルス(HMPV)が同国で増えており、特に子どもの間で拡大している。 2024年12月23日から29日の間で、HMPVの患者数が前週より増加し、特に中国北部と14歳未満の子どもで増えたと中国疾病予防管理センターが発表した。インフルエンザ、ライノウイルス、マイコプラズマ肺炎も増加しているという。 中国の病院の混雑した様子を映したオンライン上の動画は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック初期を思い起こさせ、アメリカではHMPVとパンデミックやロックダウンに関するグーグル検索がここ最近急増している。 だが、HMPVは新しいウイルスではない。つまりどのように人に影響を与えるかがわかっており、多くの人は免疫を持っていることから、新型コロナウイルス感染症と同様の脅威にはならない。
HMPVは風邪のような症状を引き起こすが、治療は必要ではない
HMPVは通常、咳や喘鳴、鼻水、喉の痛みなど、風邪と似た症状を引き起こし、3日から6日で自然に治癒する。だが、幼い子どもや65歳以上の高齢者、免疫力が低下している人などは、気管支炎や肺炎のような重度の症状を引き起こす可能性がある。感染は寒い季節によく起きる。 多くの人は5歳までにHMPVに関するため、小さい子どもはまだ免疫ができていないことが多く、症状が重くなる傾向にある。最初に感染したときにウイルスに対する免疫を獲得するため、再び感染しても、通常は症状は穏やかだ。 咳、くしゃみ、感染した人との直接的な接触、携帯電話などウイルスがついた物の表面に触ることで感染は広がる。HMPVの抗ウイルス薬はないが、もし患者が重症になったときには、医師は呼吸を助けるために酸素治療を行ったり、抗生物質で二次感染の治療を行ったりする。ワクチンはないが、開発中のものはある。