中国で流行中のウイルス性呼吸器疾患についてわかっていること(海外)
COVID-19とは違い、HMPVは新しいウイルスではない
HMPVが最初に確認されたのは、2001年のオランダでのことだが、数十年前から人に感染してきたと考えられる。 「これは新型コロナウイルス感染症のパンデミックとはまったく異なる」と、オーストラリアのフリンダース大学医学部公衆衛生学部のウイルス学者であるジル・カール(Jill Carr)氏は語った。 新型コロナウイルスについてカールは「このウイルスは人にとって完全に新しいもので、動物からの流出によって発生し、地域社会で事前に暴露や防御免疫がなかったためにパンデミックレベルにまで広がった」と話す。 HMPVの広がり方や人への影響は広く理解されていて、特定する診断方法もある。「HMPVは確かに人に症状をもたらし、患者数が多いと病院での効率的なサービスの脅威となるが、現在の中国におけるHMPVの患者数の増加は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを引き起こしたSARS-CoV-2の初期の脅威とはまったく異なる」とカールは語った。
WHOは中国でのHMPVについて緊急事態とは見ていない
WHO(世界保健機関)の広報は、2025年のこの時期には、HMPVなどの呼吸器系疾患の増加が予測され、インフルエンザの活動率は前年同時期より低いとBusiness Insiderにメールで回答した。 中国疾病予防管理センターは先日、衛生的に良い状態を維持し、咳やくしゃみのときはティッシュや肘で口と鼻を多い、手を頻繁に石けんで少なくとも20秒は洗い、人混みではマスクを着用することなどを推奨した。 ガーディアンによると、中国政府は先週の記者発表で、この状況が病院を圧倒させ、新しいパンデミックを引き起こしかねないというオンラインの憶測に反論したようだ。 「呼吸器感染症は冬の季節にピークを迎える傾向がある」と中国外務省のスポークスマンは述べている。 「前年と比較してそれほど深刻ではなく、小規模で広がっているようだ」
中国は公共衛生のリスクを低下させるため、ウイルスのデータを共有する必要がある
オーストラリアのRMIT大学の健康・生物医学部で免疫学の教授を務めるヴァッソ・アポストロポウロス(Vasso Apostolopoulos)は、中国のような人口が密集した地域での患者数の増加と医療システムへの圧迫は、監視戦略の強化が必要であることを強調した。 「効率的な観測とタイムリーな対応を確実にすることが、この感染による公共衛生のリスクを軽減する鍵になる」と彼女は語った。
Kim Schewitz