新NISA、オルカンは円売り要因か【外国株投信9.6兆円流入】世界の為替取引額+日銀介入額で検証
■オルカンは犯人か? 新NISAで人気の「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(以下、オルカン)による円安圧力をにおわせた報道もあった。 オルカンの2024年1~8月の純流入額は1兆7190億円。同シリーズの「米国株式(S&P500)」は1兆3430億円。先の外貨建て投信全体への純流入額9兆6000億円のうち、2本合計で3兆円程度を占めているにすぎない。 投資信託たった2本で外貨建て投信全体の3割ということ自体は大きいが、巨大な為替市場を動かすほどの影響力は持たない。 結論。新NISAも、オルカンも、円安・物価高の犯人ではない。 取材・文/安住拓哉、中島晶子(AERA編集部) 愛宕伸康(あたご・のぶやす)楽天証券経済研究所 チーフエコノミスト。日銀で25年、政策委員会審議委員スタッフや物価統計課長など。その後、証券会社幹部を歴任。2023年より現職 編集/綾小路麗香、伊藤忍 『AERA Money 2024秋冬号』から抜粋
中島晶子,安住拓哉