北朝鮮 数発の短距離弾道ミサイル発射=超大型ロケット砲か
【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部は12日、北朝鮮が同日午前7時10分ごろ、平壌付近から朝鮮半島東側の東海上に向けて数発の短距離弾道ミサイルを発射したと発表した。 ミサイルは約360キロを飛行し、東海上に落下したという。平壌から東360キロの距離には北朝鮮がミサイルの標的として使う無人島がある。南に向けて発射する場合、ソウルだけではなく、中部・鶏竜など韓国軍の主要施設がある都市まで狙える射程だ。 北朝鮮が発射したミサイルは3~4発のようだ。韓国軍は飛行距離や高度などから、超大型放射砲(ロケット砲)「KN25」を発射した可能性があるとみている。 韓国軍関係者は「最近の韓米合同訓練への反発かロシア輸出のためのテストの目的だった可能性がある」との見方を示した。中国とロシアは11~17日の日程で合同訓練を実施しており、北朝鮮が訓練に加わる形を取った可能性もある。 合同参謀本部は「北のミサイル発射をとらえて追跡・監視し、米国・日本側と関連情報を緊密に共有した」と明らかにした。また、「北のミサイル発射は朝鮮半島の平和と安定を深刻に脅かす明白な挑発行為であり、強く非難する」と表明した。 北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは7月1日以来、約2か月半ぶり。当時、北朝鮮は新たに開発した高重量の弾頭を搭載した弾道ミサイルを発射したとして、7月中の追加発射を予告したが、発射は行わなかった。 その後、韓米が大規模な軍事演習を実施したが、北朝鮮は弾道ミサイル発射で対抗しなかった。これについては金正恩(キム・ジョンウン)政権が7月末に発生した水害の復旧に追われているためとの見方がある。 北朝鮮は今月4~8日、韓国に向けてごみをぶら下げた風船を飛ばしたのに続き、弾道ミサイル発射も行い、複合的な挑発を再開させた可能性がある。11日も風船約20個を散布したが風向きが合わなかったため、ほとんどが韓国に飛来せず南北軍事境界線の北側を飛行した。北朝鮮は5月末に今年初めてごみ風船を飛ばした際、全地球測位システム(GPS)への妨害電波発信や弾道ミサイル発射も行った。 11月の米大統領選を控え、存在感をアピールするため挑発の水準を高める可能性があるとの懸念も出ている。 合同参謀本部は「軍は強固な韓米連合防衛体制下で北のさまざまな活動を注視しながら、いかなる挑発にも圧倒的に対応できる能力と態勢を維持していく」と強調した。
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