横田大祐、ベルギー1部ヘントで今季上々のスタートを切るも…独2部カイザースラウテルン移籍の“裏事情”
今年1月に移籍金3.2億円で獲得も…
横田大祐は今夏なぜジュピラー・リーグ(ベルギー1部)のヘントからブンデスリーガ2部のカイザースラウテルンに渡ることになったのだろうか。ドイツ誌『キッカー』が特集を組み、その理由を明かした。 現在24歳の横田は今年1月にポーランド1部グールニク・ザブジェから200万ユーロ(約3億2000万円)と伝えられる移籍金でヘントに加入。川崎フロンターレ下部組織出身の右ウインガーは無所属の時期やドイツ下部リーグの下部組織で過ごすと、21年1月から2年間プレーしていたラトビアのヴァルミエラでの活躍が評価され、元ドイツ代表FWのルーカス・ポドルスキも所属するザブジェを経てヘントへのステップアップを手にしていた。 しかし、そんな異色のキャリアを送る横田はわずか半年間でヘントを去ることに。DF渡辺剛やGKシュミット・ダニエル、今夏からはMF伊藤敦樹も所属する同クラブでは今季UEFAカンファレンスリーグ予選で2アシストを記録しプレーオフ進出に貢献すると、リーグ戦も開幕から3試合連続で先発出場(1ゴール)。それでも今夏の移籍市場の最終日にカイザースラウテルンへのレンタル移籍が決定した。 『キッカー』はそんな横田が18-19シーズに在籍していたFSVフランクフルトU-19チームの監督を務めていたハカン・ジュナル氏らを取材して特集。ジュナル氏は「フィジカルにおいてはまだU-16にもフィットする程度」と当時の横田の印象を振り返り、「ただ、技術においてはあれほどの選手を見るのは初めてだった。本当に群を抜いていたし、彼の左足もすごかった。ババク(ケイハンファル代理人)に聞いたね。『メッシを連れてきたのか』と」と語ったことなどが紹介されている。 一方で、同誌の記者は期限付きとは言え、なぜカイザースラウテルンが横田の獲得に成功したかに注目。左利き右ウインガーを探し、31試合で9ゴールをマークしたザブジェ時代から同選手に着目していたというエニス・ハジリTD(テクニカルディレクター)は「本来なら実現しない移籍だろう…」と認めつつ、8月に“急にドアが開いた”ことを回顧。7月からヘントを率いるワウター・ヴランケン新監督はどうやら4231フォーメーションからウインガーを必要としない343フォーメーションへの移行を図るため、出場機会減少の危機を前に横田本人も移籍を検討するようになったことを明かした。 なお、『キッカー』は「ハジリのしぶとさ、そしてこの日本人選手の型にはまらない道を恐れない事実」が、彼をカイザースラウテルンへ導いたと表現。「明確だ。健康でさえあれば、彼はこのリーグで違いを生み出すプレーヤーになり得る」と同TDが活躍を確信する横田だが、ここ4試合で1ゴール3アシストを記録し、その期待に応えるだけではなく早くもファンたちの心をつかみ取りつつある。