松平健「芸能生活50年、17歳で上京したとき、母だけが応援してくれた。『暴れん坊将軍』や『マツケンサンバ』でお茶の間に愛されて」
この松平健という芸名は勝プロに入る前から。もう50年以上の付き合いになります。もともとは松本二郎という芸名だったんですけれど、当時のプロデューサーが付けてくれました。 おそらく私が三河出身だということで「松平」になったのでしょうね。その後にまさか、徳川吉宗役を演じることになるとは思いませんでした。今にして思えば、ご縁ですね。 『暴れん坊将軍』への出演が決まったのは、23歳の終わり頃でした。撮影は京都で行われ、2話を11日間で撮るスケジュール。途中でNHKの大河ドラマの仕事が入るなど、かなり忙しかったですね。撮影が終わる11日ごとにスタッフ、キャスト一同で打ち上げをして、大いに飲んだのもいい思い出です。 当初は3ヵ月で終了すると噂に聞いていたので、まさかその後25年にわたって続き、832話を数える大作になるとは思いもしませんでした。やはり大人も子どもも安心して楽しめるところが、お茶の間の皆さんに支持されたのでしょうね。 子どもたちに向けては「悪いことをすると成敗されるよ」という教えもありますし、日本人の好きな人情もたっぷり入っている。そういったところが長く愛された理由なのでしょう。 (構成=上田恵子、撮影=木村直軌)
松平健