エマージェンザ世界大会4位、ベストシンガー賞に スネアカバーの戦略とは?
「天使の歌声」とも称されたその歌声は、グラミー賞受賞のシンガー・ソングライターのエド・シーランを上回るシンガーとの声もあった。先ごろ、ドイツで行われたエマージェンザ・ミュージック・フェスティバル2017世界大会のステージに立ったスネアカバーの斎藤洸(さいとう・たけし、Vo./G.)に対する評価だ。
エマージェンザ世界大会でのスネアカバーの戦略
ドイツ、ローテンブルクで今年も、8月10日~13日にかけて野外音楽フェス「タウバタール・フェスティバル」が開かれた。フェスの期間中、世界最大のインディーズ・バンド、アーティストのためのコンテスト「エマージェンザ」2017年度世界大会も同時開催。世界34カ国から選ばれた代表20組の中に、日本大会を制したスネアカバーの姿があった。 スネアカバーの出演時間は、12日土曜日午後7時半。セカンドステージに立った斎藤がCeltic Womanの『You Raise Me Up』を口ずさんだ瞬間、ステージに背を向けていた人たちが、はっとした表情で振り返り、有名アーティストが登場するメインステージに移動するためその場を離れかけた人々が続々と戻ってきた。 これは、スネアカバーの戦略でもあった。日本から同行したエマージェンザのスタッフで国内戦MCを務めたTAKAからは事前に、「海外でも知られている有名な曲をステージ前テストの段階で歌えば、皆が反応するはず。海外の曲を練習してきて」とのアドバイスがあった。本番前に人を惹きつけようという作戦だ。これが当たった。聴く者の「心を震わせる」と称される斎藤のハイトーンヴォイスだからこそ、聴衆をつなぎとめることができたのだ。 メインステージサイドにはスクリーンがあり、ツイッターやインスタグラムを通じて各国のバンドを応援するファンからのメッセージが映し出されていた。「スネアカバー最高!」「スネアカバーの歌声を聴いて欲しい!」といったメッセージも、日本語、英語、ドイツ語で寄せられていた。 エマージェンザの世界大会では4000人規模のステージでの演奏になり、勝敗は今年は5人の審査委員によって決められることになっていた。それでも、本国で待つファンは応援メッセージを送るという形で参加することができ、遠く離れた日本で待つファンの声援はスネアカバーにとって心強いものになった。