愛知製鋼知多工場、ステンレス形鋼圧延ライン増強。年産能力15%増の7万3000トン
愛知製鋼は15日、知多工場(愛知県東海市)の形鋼圧延ラインの増強とIoT基盤構築を行ったと発表した。今月から稼働を開始している。生産可能サイズを拡大し、刈谷工場(愛知県刈谷市)で行っていた形鋼生産の一部を知多工場に移管。最適配分による生産能力向上で、年間生産能力を従来比約15%向上し、年7万3千トン体制とした。総投資額は約12億円。 同社では2030年ビジョンに基づく成長戦略として、今後水素社会の実現やインフラ更新、長寿命化に向けた需要拡大が見込まれるステンレス鋼材について、26年度までに供給能力を19年度比4割増の年間9万トン体制を目指して段階的に製造プロセス改革を行っている。昨年3月には約10億円を投じて知多工場内のステンレス鋼用電気炉(50トン溶解炉/1号電気炉)を刷新。炉容積の拡大で原材料配合比率最適化し、付帯する制御システムも更新した。今回の圧延ライン増強は、一連の製造プロセス改革の第2ステップ。 圧延ラインの圧延機増設・増強、切断機更新により、生産可能サイズレンジを拡大。刈谷工場の一部形鋼生産を移管し、生産負荷の最適配分を行う。年間390トンのCO2排出量低減など、生産移管によるエネルギー効率向上も図る。 同時に、DX実現に向けたIoT基盤構築にも着手。各種計測機器の導入や暗黙知の形式化、トレーサビリティ強化による品質向上などに取り組み、作業負荷軽減につなげていく。今後、第3ステップとして2026年に熱処理、酸洗・検査など精整ラインの設備増強と整流化を実施。ステンレス鋼材供給の年間9万トン体制を目指す。