福島民報スポーツ大賞 半谷選手(福島県いわき市出身)に授与 パリ・パラ柔道女子48キロ級「銀」
パリ・パラリンピックの柔道女子48キロ級(全盲)で銀メダルを獲得した半谷静香選手(36)=トヨタループス、福島県いわき市出身=への福島民報スポーツ大賞贈呈式は29日、福島市の民報ビルで行われた。 福島民報社の芳見弘一社長は「パリで活躍する姿は県民の大きな励ましになった。4年後のロサンゼルス・パラリンピックへの挑戦も県民を挙げて後押ししたい」とたたえた。半谷選手は「大変光栄で、感謝している。けがが多くて大変だが、柔道は楽しいので長く続けていきたい」と述べた。 半谷選手は網膜色素変性症で生まれつきの弱視。平一中で柔道を始め、東日大昌平高に進んだ。症状の進行により、筑波技術大(茨城)で視覚障害者柔道に転向。ロンドン、リオデジャネイロ、東京に続く4度目のパラ挑戦で初のメダルに輝いた。15日には2017(平成29)年に続く2度目のいわき市民スポーツ栄誉賞を受けた。 ■ロス大会向けて一から体づくり
半谷選手は、県民の応援への感謝やロサンゼルス・パラリンピックに向けた抱負を語った。 ―パリ大会を振り返って。 「会場はほぼ満員で声援がすごく大きくて、背中を押してくれた。スーパーヒーローになった気分を味わえるほどの熱気だった。決勝で対戦したウクライナ選手は力があり、気配を消すうまさもある相手。いつか勝ちたいと思った」 ―帰国後、地元から多くの祝福を受けた。 「多くの人が試合を見ていて、温かい声をかけてくれることがうれしい。お世話になった人たちに恩返しがしたいとずっと思っていた。メダルを取ったことで喜んでもらい、夢がかなったと実感できた。来月末には県柔道連盟主催の祝賀会があるので、会いに来てくれた皆さんにお礼を伝えたい」 ―ロサンゼルス大会に向けて抱負を。 「48キロ級が実施されなくなったため、階級を上げて52キロ級で試合に出ることになる。不安も大きいが、相手のパワーに対抗するための体づくりを一から始める。クロスカントリースキーで強みの持久力をさらに鍛えたい。まずは2026(令和8)年秋に名古屋市で開かれるアジアパラ競技大会の出場を目指す」