「健康書2000冊」が導き出した“健康長寿”の結論、医学研究の最前線に躍り出た「注目の臓器」とは
■世界中の研究者が注目する「腸内細菌」のすごい力 近年、腸は医学研究の最前線に躍り出た臓器として注目を集めています。次々と明らかになる新たな発見によって、腸の重要性が広く認識されるようになり、腸の健康を取り上げた書籍も数多く出版されるようになりました。 ・肥満、糖尿病、動脈硬化など生活習慣病のリスクを下げる ・体内の炎症、アレルギー反応を抑制する ・血糖値の上昇を抑える ・精神を安定させる ・健康寿命を延ばす
驚くべきことに、腸が元気になると、これらの健康効果を全て得られます。こうした腸の多彩な機能は、一体どこから生まれるのでしょうか? そのカギを握るのが、「腸内細菌」です。 私たちの腸内には、およそ1000種類、100兆個もの細菌が生息しています。この総体を「腸内細菌叢」と言います。腸内細菌は菌種ごとに塊になって腸壁に付着し、まるで品種ごとに区切られたお花畑のように見えることから、腸内細菌叢は「腸内フローラ」とも呼ばれます。
この腸内フローラのバランスが崩れると、免疫機能の低下、消化不良、肥満、アレルギーなど、さまざまな健康問題につながります。逆に、バランスの取れた腸内フローラは、健康的な体を維持するために欠かせません。 そして、そのバランスは、食事の影響を大きく受けます。なぜなら、腸内細菌は人間が食べたものを栄養源にして生きているからです。私たちの普段の食事が、自分の腸の中にいる腸内細菌の生態系に影響を与えている。そう思うと、なんだか不思議な気持ちになりますね。
腸内細菌の中には、私たちの健康に力を貸してくれる菌もいれば、反対に、悪影響を及ぼす菌もいます。さらに毎日の食事の内容によって、どちらの菌が増えやすくなるかも変わります。つまり、食べるもの次第で、あなたの腸内環境は良くも悪くもなるのです。 自分では感じられませんが、今、この瞬間も、あなたの腸の中では細菌たちが増えたり減ったりしながら、活動を続けています。 ■善玉菌、悪玉菌はもう古い? 腸内細菌の最新研究