亜希さん「離婚後、ちゃんとした親でなければと縛られなくなりました」|VERY
いつも自然体で明るい笑顔が魅力的な亜希さん。野球好きの二人の息子を育て上げたパワフルなお母さんである亜希さんの30代は、結婚、母との死別、出産など、「人生で最も忙しい時期」だったそうです。新しい家族の形、そしてお子さんの自立を迎えた今の心境について伺いました。 【写真あり】二人の息子たちも成長して…亜希さんの今の表情
子どもたちの成長が「家族の形」を変えてくれた
──VERYの読者の多くは30歳前後で、育児中心の生活を送っているという世代です。亜希さんの30代はどんな時期でしたか? 30代は結婚と同時に環境もがらりと変わり、自分の人生の新しいページを開いたような感覚がありました。同時に、これまでの人生で最も忙しい時期でもありました。長男を出産したのは33歳のとき。その2カ月前に、シングルマザーとして私と兄を一人で育ててくれた母が亡くなりました。妊娠中のお腹の大きい時期に葬儀をしたんです。人生のなかであれよりもしんどいことは、なかったです。いちばん大切な人を亡くした瞬間にかけがえのない存在が生まれてくる。生と死という両極端の出来事が一気に訪れ、命に向き合った複雑な時間でした。母の死は本当に辛かったけれど、長男の誕生によって喪失から救われたような気がします。 ──その後、36歳で第二子を出産。2人のお子さんの母親として、忙しい日々を過ごされていたかと思います。時間がない中で、どうやってリフレッシュをされていましたか? 私にとっての気晴らしはやっぱり料理かな。旅行から帰ってくると、家族みんな疲れてソファに寝転んでいるけれど、私はすぐキッチンに立っていました。私の場合は疲れたときも台所に直行するほうが気持ちがスッキリするんです。家のなかで過ごしていても、音楽を聴くとか植物を育てるといったことはできなかったのに料理は「やらなくては」と思わなくても体が動くんです。日常生活こそが、自分をフラットに戻す鍵だったのかもしれません。
──一時は交流が途絶えた元夫とお子さんたちとの家族ショットを公開したことも、大きな話題を呼びました。 家族の形は人に指図されて決めるものではないはず。私たち家族が納得できていればいいと思っています。子どもたちは今年22歳と19歳になりますが、彼らの成長が家族の形を確実に変えてくれました。元夫と再び交流するようになったのも次男からの「お父さんに野球を教えてもらいたい」という言葉がきっかけでした。子どもたちが小さいころは母である私が言うことがすべて。言うことを聞かないときは「あんたたち、ちょっと黙ってなさい!」と一喝するなど、今思えばまるで鬼軍曹みたいな母親でした。当時はそうするしかないと思っていたけれど、いつの間にか、私よりも子どもたちのほうが物事をよりフラットに見ていることに気づいたんです。離婚後、一時は元夫の顔も見たくない、名前を聞くことすら嫌だという時期がありました。でも、子どもたちの成長によって考え方や価値観がブラッシュアップされているような感覚があり、頑なだった私の心にも変化が。いつの間にか再び交流する今の形になりました。なんだか息子たちの手のひらで転がされているような感じもしますが、今はそれがありがたいです。