電通デジタルとAmazon、“生成AI”動画広告で「効果8倍、費用7割減」の衝撃…Amazon Novaの成功事例を披露
電通デジタル、生成AI動画広告で「効果8倍、費用7割減」の衝撃
では、企業はAmazon Novaをどう使おうとしているのか? 日本企業の中で初期ユーザーとして活用に取り組んだのが「電通デジタル」だ。 同社は電通からスピンオフしたデジタルマーケティングやデジタル技術関連コンサルティング企業で、「∞AI(ムゲンエーアイ)」というマーケティングAIソリューションを提供している。 電通デジタル・執行役員の山本覚(さとる)氏は、∞AIを使う顧客に相談し、実際にAmazon Novaを使って広告展開をした。 使ったのは、動画を扱うAmazon Nova Reelだ。10社に打診したうち、2社が「実際の広告掲示までは難しい」としたものの、自社広告の制作に同意し、1社が実際に広告として採用し、掲載した。 実施した内容はシンプルだ。バナー広告の背景を、Amazon Nova Reelで作った動画に入れ替えた「動きのある広告」にする、という手法だ。 以下は、素材制作に同意した「kakaku.com」と「アパホテル」の例である。 どれも左側が元になった広告で、右がAmazon Nova Reelで変更を加えたものである。静止画なのでわかりづらいが、背景や人物の部分がアニメーションに変わっている。 そして、実際に広告として配信したのが、「ゴルフダイジェスト・オンライン」を運用するGDOだ。 ブラックフライデー向けのバナー広告として、10日間掲載されていたという。セール広告の背景を外し、そこにAmazon Nova Reelで作ったアニメーションが埋め込まれた。 入れ替えの結果は明確に現れた。 サイト訪問者に対して広告が効果を現した割合の指標であるCVR(Conversion Rate)は8.6倍に拡大し、顧客獲得単価であるCPA(Cost per Acquisition)は73%減少した。 要は「バナーが手軽に動画広告になった」結果として、広告効果が明確に現れたということだ。
西田宗千佳