落語会を昼夜ラジオで生放送、ABC朝日放送ラジオ戸谷公一プロデューサーに聞く
ラジオ60周年で迎えた転機、落語家の強い思い入れも
しかし、同局のラジオが60周年を迎えた12年に同会を4年ぶりに開催が決定し、6日間7公演を実施。しかもその模様をラジオで生放送した。「この年から有料になった上の生放送。悩んだが『歴史を刻んできたここのラジオだからできること』と思った」と語る。落語家たちの思い入れも強く「ABCラジオはずっと落語に向き合ってきた」ことを粋に感じ、出演希望者は多数にのぼる。また、若手や中堅にとっては生放送でPRする場。ベテランが古典をやるのが通例だという。「今回出演する文珍さんは、かつて創作落語を中心にやっていたが、この会だけは古典をこだわってやってくださっていた」と戸谷さん。それは、お客さんも望んでいることだと話す。 同局の仲間も盛り上げる。落研出身の三代澤康司、伊藤史隆両アナウンサーがこの会の司会を担当。スタッフにも落研出身者が多く、それぞれの担当番組で大きくPR。その思いが通じたのか、今回は昼・夜2公演のうち夜の部が早々に完売、昼もほぼ完売に近い状態だという。 「1月からチケットを売るのはいつもプレッシャー」という戸谷さん。だが、ほぼ完売し「落語家さんが舞台に座る時に『うわっ』と思うくらいは売れた。あとは音を電波にのせて、番組が始まったら、僕らの仕事は終わりみたいなもんです」と、同会パンフレットを手に笑顔で語る。当日は午後12時半から9時まで同局ラジオで生放送。出演は昼の部が笑福亭鉄瓶、林家染弥、月亭文都 、桂坊枝、桂雀三郎、桂ざこば、月亭八方。夜の部が桂吉の丞、桂春蝶、桂南天、桂文華、笑福亭鶴二、笑福亭三喬、桂文珍。