【デーブ大久保コラム】リーグ優勝は投手陣の踏ん張りと3人の捕手の特性が生かされた結果です
【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】 4年ぶりのリーグ優勝おめでとうございます。巨人が混戦のセ・リーグを制しましたね。ここであまりに巨人を褒めると、またいろいろと言われそうなので、お祝いの言葉はこれくらいで(笑)。 【選手データ】小林誠司 プロフィール・通算成績・試合速報 今回の優勝の要因は何と言っても投手陣の頑張りでしたね。チーム防御率がリーグNo.1になりました。あの阪神や中日という強力投手陣を差し置いての1位ですから立派なものです。先発では智之(菅野智之)が15勝3敗で貯金12ですか。これだけ勝ってくれると監督は安心してローテーションを組むことができます。伯父さん(原辰徳前監督)が指揮を執った昨年も同じような感じの勝ち数だったらよかったのですが(笑)、冗談です。 そこに戸郷(戸郷翔征)、伊織(山崎伊織)が2ケタ勝利と菅野に続きました。さらにケガから完全復活したクローザーの大勢が本領発揮したことが何より大きいです。9回がしっかり決まっていますので、先発も心強い。リリーフも何とか大勢まで頑張れ、といういい気持ちの流れが出来上がっていきます。この2人の投手の存在が、大きな勇気を投手陣、そして巨人に与えたのだと思います。 そして何より、投手陣をけん引した捕手3人の存在も大きかったです。今回の週べではこの3人の座談会が掲載されるようですね。今週のテーマを担当と話している中で聞きました。座談会のためのお世辞というわけではありません。この3人の力は大きいです。 現代のプロ野球では捕手1人でシーズンを戦うことはほとんどなくなりました。2人以上で戦っています。それはデメリットもあるかもしれませんが、メリットも大きいんです。3連戦ですべてスタメン捕手が違うと配球が変わります。そこは対戦打者はなかなか的を絞りにくい。 特に巨人の3人は本当に配球の傾向がまったく違います。卓三(大城卓三)は試合前のチームの方針に沿った配球を中心に組み立てていきます。つまり相手打者の弱点を突くような配球です。誠司(小林誠司)は本当にしつこいリードをする。つまりリード中心の配球。その日の先発のカーブのキレが良く、対戦している打者のタイミングが合っていないと感じたら、徹底的にその球種で攻めていくというパターンを持っています。 岸田(岸田行倫)は投手に寄り添った配球が中心。つまり、投手がその日、一番気持ちよく投げられる球種を多く使っていく、というタイプです。もちろん、その特長を生かしながら、チームが打ち出した各対戦打者への方針を、3人ともここぞの場面で使ってくるので、それは各チームともに苦労しますよ。 打者への目先を変えるというのではなく、個々の特長が生かされた中でシーズンを戦い、優勝へと導いていったのです。まさに捕手3人がMVP級の価値を見せたリーグ優勝だったと思います。その3人の座談会、面白そうですね。誌面でチェックしますね(笑)。
週刊ベースボール