大谷翔平すらできなかった「偉業」を成し遂げるか…45本塁打、最速153キロ高校生が「12球団入り」を拒否した理由
■過去には「永久追放」されたアマ選手も 森井はすでにドジャースやアスレチックスなど複数球団と面談済み。中でも、大谷翔平選手や山本由伸投手が在籍しているドジャースは、佐々木朗希投手(ロッテ)の獲得に向けて、フリードマン編成本部長が来日するなど、日本人選手の獲得に本腰を上げている。2010年には明大左腕の西嶋一記、文徳(熊本)右腕の高野一哉とマイナー契約を交わすなど、西海岸の名門は原石の発掘にも余念がない。 米国のドラフトは米国、カナダ、プエルトリコの選手が対象のため、日本、韓国、台湾などに在住する16歳以上のアマチュア選手はインターナショナルFA扱いとなり、MLB各球団は、当該選手の身分照会をMLBスカウト局に提出した上で、自由に交渉して契約できる。ただ、獲得する全選手の契約金総額を、球団ごとに毎年定められる金額(ボーナス・プール)以内に納めなければならず、超過は許されない。 なお、日本でプレーする学生や社会人選手は、その身分のままインターナショナルFAとしてMLB球団と契約することはできない。2018年、吉川峻平投手がパナソニックに在籍中にもかかわらず、ダイヤモンドバックスとマイナー契約を交わし、社会人野球を統括する日本野球連盟から登録資格剝奪の処分を受け、事実上の「永久追放」となった。 ■NPB未経験→メジャー昇格した選手は3人だけ 同じ2018年には、結城海斗投手が史上最年少(16歳2カ月)でメジャーに挑戦した。「ネクスト・ダルビッシュになれる」と期待された逸材は中学を卒業後、日本の高校には進学せず、インターナショナルFAの適応年齢を待ち、ロイヤルズとマイナー契約を結んだ。 森井は今後、最終合意に向けた絞り込み作業に入り、早ければ来年1月中旬以降にも正式契約となる運び。ルーキーリーグ、マイナーリーグと一歩ずつ階段を上りながら、メジャー昇格を目指していく。 ただ、吉川も結城も、メジャーに昇格することなく、すでに現役を退いている。NPBを経ずに海を渡り、米球界の最高峰まで登り詰めた日本人選手は、わずか3人しかいない。 パイオニアはマック鈴木(本名・鈴木誠)投手だ。滝川二(兵庫)を中退後、16歳で単身渡米すると、1996年、マリナーズで村上雅則、野茂英雄に次ぐ日本人3人目となるメジャーデビュー。NPB未経験者としては初の快挙だった。 メジャーでは117試合に登板して通算16勝を挙げた後、NPB入りの意向を表明し、2002年ドラフト2巡目でオリックスに入団。3年間で5勝に終わり、その後、メキシコや台湾、ドミニカ共和国などでもプレーした。