NHK杯・りくりゅうペア、ベストの演技はできずとも1年7カ月ぶりの国内演技で貫禄の首位発進【フィギュア】
◇8日 フィギュアスケート グランプリ(GP)シリーズ第4戦 NHK杯(国立代々木競技場) ペアショートプログラム(SP)は2022~23年シーズンに年間グランドスラムを達成した三浦璃来(22)、木原龍一(32)組(木下グループ)が71・90点で首位発進した。 SPの演技が終わった瞬間、三浦が首をかしげた。氷上で言葉を交わした木原は「常にベストな演技はしたいけど、今日そういった演技をすることはできなかった」。それでも、首位発進。23年4月の世界国別対抗戦以来、1年7カ月ぶりの日本国内での試合で強さを見せつけた。 反省の理由は2つめの構成要素だったサイド・バイ・サイドのトーループだった。3回転の予定にしていたが、三浦のジャンプが開いてダウングレードに。GOE(出来栄え点)で0・58点の減点を受けた。しかし、そこは世界の第一人者。その後に3回転ルッツのスロージャンプを決めて、流れを引き戻した。「こけなくて、よかった」という三浦は「明日(のフリーで)きちっと直したい」と落ち込んだ様子はない。木原も「ミスをすることなくまとめきれたのはすごく成長してきた結果」と力を込めた。 最後のデススパイラルでは、木原の冷静な判断力も光った。レベル3となったが、「たぶん4分の1回転足りてないと思う」と木原は理由を分析し、「途中でテンションが死んでいて無理かなと思ったのと、時間がギリギリだったので引き上げた」。時間超過による減点を瞬時の判断で防いでGOEはプラス。首位発進につなげた。 ミスがあっても、ギリギリの判断を強いられても演技後は2人で笑い合った。「りくりゅう」は何があっても強く、楽しく滑る。信頼の絆は久々の日本でも変わらなかった。
中日スポーツ