地中海式ダイエットが高血圧リスクの低下につながる? 英医学誌に掲載
※この記事は、海外のサイト『Prevention』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 2型糖尿病や心臓発作、脳卒中、認知症のリスク軽減など、健康メリットが確立されている地中海式ダイエット。今回、ギリシャの研究者らによって、この食事法にもう一つの健康効果が発見された。それは、高血圧症のリスクを軽減し、症状を改善するというもの。 今年4月、医学誌『ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』に掲載された研究では、地中海式ダイエットの心血管に対する効果を調査。20年にわたるデータを分析した研究者らは、地中海式ダイエットを継続的に行っている人は、あまり厳密に継続しなかった人に比べ、高血圧症を発症するリスクが低いことを発見した。
この研究は2002~2022年にかけて実施され、スタート時に高血圧ではなかった3,042人が参加した。実験を始めるにあたり、研究者らは参加者の血糖値やコレステロール値、体重、血圧など、さまざまな情報を収集。彼らが地中海式ダイエットをどの程度忠実に実践していたかを確認するため、果物、野菜、全粒穀物、じゃがいも、豆類、魚、オリーブオイルの摂取量に基づいた「メッドダイエットスコア」(点数が高いほど地中海式ダイエットに忠実であることを示す評価基準)をチェック。以降、研究者らは20年以上にわたり参加者の「メッドダイエットスコア」を追跡し、高血圧症、高コレステロール、2型糖尿病、心血管疾患を発症しているかどうかを調査した。 その結果、高血圧症を発症するリスクがもっとも低かったのは、地中海式ダイエットをほぼ忠実に守っていた参加者であったことが分かった。地中海式ダイエットにもっとも従い、一番高いスコアを出したグループの高血圧発症率は8.7%だったいっぽうで、最低スコアを出した、つまり地中海式ダイエットをあまり厳密に実践しなかった参加者らの高血圧発症率は、研究終了時点で35.5%だったという。 さらに、このダイエットの継続性が高血圧症リスクに与える影響について調査した研究者らは、地中海式ダイエットをほぼ忠実に守っていた参加者は、そうでない参加者に比べて、20年間にわたる高血圧症リスクが46.5%低いことを発見した。