50歳、作家・小川糸さんの「シンプルひとり暮らし」の知恵。面倒な家事はやめて正解
●お菓子づくりやお取り寄せ。家事の合間のささやかな楽しみを
ひとりで家事を背負い込むのはつらいこと。嫌なときは無理をせず、手を抜ける部分は抜くことも大事、と小川さんは話します。 「“こうすべき”にあまり縛られず、柔軟に考えればいいのではないでしょうか。私は疲れていたら外食するし、朝昼兼用の食事を近くのおいしいお弁当屋さんで買うこともよくあります。頻繁に銭湯に通うのは、気持ちいいのはもちろん、家のお風呂掃除の負担が減るという理由もあるんです」 家事をシンプルにするのと同時に、ささやかな楽しみを見いだすことも大切。小川さんにとっては、いままでつくったことのないお菓子をつくることや、ときどき地方からおいしいものをお取り寄せすることなどが、日常におけるよい気分転換になっています。ここ最近では石けんづくりを覚えて楽しむようになりました。 無理をせず、自分らしく家事のメリハリをつける。それが健やかな日々をつくり出す秘訣なのかもしれません。
●シンプルにした家事その1:食洗機を使う
以前から持っていたものの、あまり使っていなかった食洗機。家で食事をする機会が増えたため、東京の家ではほぼ毎日活用するようになりました。日々使う器も、食洗機で洗えるものを選ぶように。 「前は薄手のグラスを使っていたのですが、最近はドイツで買った頑丈なものを愛用中。とはいえ、漆器以外ならほぼなんでも洗うことができます」
●シンプルにした家事その2:冷凍庫をフル活用
以前と比べて買い物に行く頻度が減ったという小川さん。「散歩の途中やヨガに行った帰りなど、“ついで”に買い物をすることが増えました」。 これまでよりまとめ買いをするようになったので、買ってきたものは冷凍庫に保存。手づくりのお総菜や、今年の初めからつくり始めた自家製アイスクリームも一緒に入れています。
⚫シンプルにした家事その3:アイロンがけをやめた
アイロンがけは以前から苦手な家事のひとつ。できるだけしたくないので、春夏はもっぱらアイロンがけがいらない麻の服を着ています。「すぐ乾くし、なにより着ていて楽なのが魅力です」。 オフシーズンの間にしまい込んで大きなしわがついた服も一度洗濯し、しわを伸ばして干せば、またきれいに気持ちよく着られます。