「憧れるのをやめましょう」はなぜ効果的?あの名将に学ぶ「信じ切る力」
信じていることを、言葉にしよう
「信じ切る力」を身につけると、毎日が変わり、生き方が変わる。そんな心がけを本書では50も紹介しています。そのなかから、すぐにでも取り入れられるヒントを3つ紹介しましょう。 1. 「できるか、できないか」から考えない 日々のタスクから、中長期的なプロジェクトまで。決断のフィルターの1つとして真っ先に検討してしまいがちなのが「できるか、できないか」ということ。 しかし、一流選手の場合は「できるか、できないか」よりも「こうやりたい」から始まる、と本書。「こういうボールを投げたい、こういうプレーをしたい」を最優先にし、確率やデータは疑ってかかってもいいとのこと。 この確率やデータとは、ビジネスでいえば前例や知見も含まれるのでしょう。 「できない」とあきらめて無難で妥当な道を選ぶことも1つの方法ですが、自分やチームを信じ切るならば「できる」と信じ切り、挑むという選択肢を捨てないという判断も、持っておきたいカードです。 2. 信じてもらえることで生まれるパワーがある 誰かを信じ切るということは、その相手に大きなパワーを与える行為でもある。そのことを栗山さんは自身の経験も交えて語っています。 栗山さんはプロ入りが決まり、入団前の自主トレで、チームメンバーの実力を見せつけられ、萎縮し、恐怖にさいなまれてキャッチボールすらまともにできなくなってしまったことがあったとか。 そんなとき、当時の二軍監督に声をかけられます。 「なあクリ、プロ野球っていうのは競争社会だよな。でもオレはそんなことはどうでもいいんだよ。お前が人間としてどれだけ大きくなれるかのほうが、オレにはよっぽど大事なんだ。だからまわりがどう思おうとオレには関係ない。明日の練習で今日よりほんのちょっとでもうまくなっていてくれたら、オレはそれで満足なんだよ。他の選手と自分を比べるな」 この言葉は、僕の指導者人生の原点になりました。僕は、信じてもらえたのです。 (『信じ切る力 生き方で運をコントロールする50の心がけ』48~49ページより一部抜粋) 誰かを信じるだけでなく、信じていることをちゃんと伝える。すべてのリーダーが、すぐに生かせる心がけではないでしょうか。 3. ダメな自分をどう信じるか 栗山さんが多くの挫折を味わい、また指導者として多くの選手たちと関わるなかでわかったのは、「人は絶対に変われる」ということ。 その人生の伸び代を左右するのは「これだけは絶対に負けたくない」というプライド。しかし、そのプライドは子どものときにはたくさん持っていても、年齢を重ねるにつれて減っていき、大人になるとすべてを捨ててしまう人も少なくないとか。それはプロの野球選手も然りです。 だから、それ(プライド)を持っている選手には、「これだけは捨てるなよ」と僕は伝えていました。「お前ができないと思っているだけだ。お前よりオレが信じてどうするんだ。少なくともオレくらいは信じてくれよ」と。 (『信じ切る力 生き方で運をコントロールする50の心がけ』72ページより) 自分のことを信じたい。でも信じ切れない。そんなときは、自分が絶対に誰にも負けたくないプライドを見つけてみるのはどうでしょう。思い浮かばなかったら子ども時代にさかのぼってみるのも有効。自分が自分にとって一番の味方であることほど、強いものはありません。 今回は3つの心がけを紹介しましたが、本書には「信じ切る力」を育てる日常のルーティンも紹介されています。 「信じ切ろう!」と肩肘を張らずとも、栗山さんが教える心がけの中から1つでも「これだ」というものを、一度信じ切って実践してみてはどうでしょうか。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: 講談社
ライフハッカー・ジャパン編集部