俳優・駿河太郎「少しでも良い未来を残すために、今行動を起こさないといけない」[FRaU]
駿河さんは、スタイリストの丸山晃さんとファッションデザイナーの清水護さんとともにブランド〈NEWORDER〉を立ち上げている。海での出会いからサステナブルな生地に関心を持ち、デザインする洋服に取り入れた。 「ファッション業界のものづくりは大量生産、大量廃棄で環境に優しくないと指摘されています。僕たちは立ち上げ当初から在庫を持たない受注生産で服をつくっていこうと決めていました。環境に少しでも優しい素材を取り入れることは、僕たちの理念のひとつでもある。このような素材を全ての製品に使うことは難しいけれど、服をつくる上でできることはやっていこうと思っています」
2024年の春夏コレクションでも、サステナブルラインを発表。 「今回つくったのは、Tシャツと靴下のセットです。使用している生地は、靴下を生産する際に出てしまう端切れや余ったウールを回収してつくられたもの。繊維廃棄物を細かく裁断し、糸に戻して新しい商品にアップサイクル。いろんな素材が混ざっているのでまったくの無地ではなく、味のある生地になっています」
働き方も生き方も、サステナブルに
「俳優の仕事も、アパレルのデザインも、趣味の活動も全部大切な時間です。無理をして頑張るよりも、好きなことをやっていくこと。それが長く続けるコツだと思っています」 表舞台に出る職業だからといって、言いたいことを我慢することはしない。時には社会に疑問を投げかけることもある。 「政治や社会に疑問を持つことがあったらSNSで僕の意見を発信しています。俳優やアーティストがなかなか自分の意見を表明しにくいという風潮にも疑問を持っていて、いろんな意見があっていいのが民主主義ですよね。環境にしても社会のあり方にしても、僕たちの生きている間はまだ大丈夫だったとしても、僕らの子どもたちが大人になった時にはどうなっているのか。未来を考えると不安になります。少しでも良い未来を残すために、今行動を起こさないといけないと感じています」 駿河太郎（するが・たろう） 1978年兵庫県生まれ。俳優。2011年NHK連続テレビ小説『カーネーション』で注目を集め、2016年公開の初主演映画『夢二～愛のとばしり』でJapan FilmFestival LA 2015最優秀主演男優賞を受賞。2023年の主な出演作に、藤井道人監督の映画『最後まで行く』、福井県が舞台の映画『おしょりん』、大河ドラマ『どうする家康』（NHK）などがある。 ●情報は、FRaU2024年1月号発売時点のものです。
