電動SUVで争うエクストリームE、2024年限りで終了。2025年からは水素を使った”エクストリームH”へ
電動SUVでのオフロードレースを展開するエクストリームEのユーティリティ・マネージャーであるアンディ・ウェルチは、2021年に始まったエクストリームEが今季限りで終了することを認めた。 2022年2月、エクストリームEの創設者であるアレハンドロ・アガグは、水素を動力源として採用した新カテゴリー、エクストリームHを2024年からスタートさせる計画を明らかにした。 当初の予定から1年遅れではあるがエクストリームHの実現が現実的になってくるなかで、エクストリームEの将来は疑問視されてきた。選手権側はエクストリームEが025年にエクストリームHと並行して継続することはないと明言するに留めていたのだ。 今週初め、エクストリームEのウェブサイトに掲載されたマネージング・ディレクターのアリ・ラッセルのコラムでは、2024年シーズンの最終戦として初のイベントをアメリカで開催することが「エクストリームEを締めくくるにふさわしい」と言及されている。 そして11日に開催されたオートスポーツ・インターナショナル・ショーのビジネスフォーラムで、ウェルチは2021年に始まったエクストリームEが今シーズン限りで終了することを認めた。 ウェルチはmotorsport.comからのエクストリームEの将来についての質問に答え、「もし2年前にその質問をされていたら、おそらく両方やると言っていただろう」と語った。 「エクストリームHのプロトタイプは現在テスト中で、チャンピオンシップは2025年に始まる。エクストリームEは2024年いっぱいで終了する」 「クルマと選手権は異なるが、同じフォーマットだ。そして、エクストリームEはこのまま終了する」 ウェルチはこの決定において、ロジスティクス面の課題は関係ないと説明した。 「エクストリームEを続ける準備はできるが、していない」 「サウジアラビアでシリーズをやるか、ヨーロッパでシリーズをやるか(エクストリームEをエクストリームHと別々で開催する)という話が来れば、実現する可能性はある」 「同じ会場で2つの選手権を開催することの商業的な影響は、一度のサポートでふたつの選手権を開催できるという意味では魅力的だが、2倍の利益を得ることはできない」 「週末にレースを開催することに変わりはない。観客はEかHかに興味があるのだろうか? 興味がない人もいれば、ある人もいるだろう」 「明確なのは、今年でEを終わりにして、25年にHをやるということだ」 ウェルチは2024年のカレンダーの終わり頃に、エクストリームHのプロトタイプ車両がエクストリームEのイベントに登場する可能性があると付け加えた。 「ある時点で、我々はクルマを製造するボタンを押さなければならない。それは早ければ1年の中頃になることを念頭に置かなければならない」 「そして、今年の終わりには10台か12台のマシンが生産され、チームに供給されることになる」 エクストリームEは、2月17~18日のサウジアラビアを皮切りに、2024年に5つのイベントを開催すると発表している。第2ラウンドはヨーロッパで7月13~14日に開催する予定だが、開催地は未定。9月には、イタリアのサルディニアでダブルヘッダーを2週連続で実施し、11月にアメリカのフェニックス(11月23~24日)が最終戦となる予定となっている。
James Newbold