妻は年収120万円、6歳の子どもを妻の扶養にすると「住民税非課税」になると言われたのですが、妻の手取りが増えるということですか?
扶養と家族手当の関係
ここで重要になってくるのが、「家族手当」の存在です。多くの企業では、扶養家族の人数に応じて家族手当を支給しています。このような制度がある場合、子どもの扶養を夫と妻のどちらに入れるかで、家計全体の収入が変わってきます。 例えば、配偶者手当が月額2万円、児童手当が子ども1人につき月額5000円(年額6万円)のように設定されている場合で試算してみましょう。
図表2の試算例では、子どもを妻の年少扶養家族にすることで妻の住民税は非課税となりますが、Aさんの家族手当の減少により、世帯全体の手取り収入は減少しています。
どちらの扶養に入れるべきか
判断のポイントは、以下の3点です: ●会社の家族手当制度の有無と金額 ●配偶者の収入状況と社会保険の扶養範囲 ●税金面での影響 一般的には、会社に家族手当がある場合は収入の多いほうの扶養に、家族手当がない場合は税金面で有利なほうの扶養にすることが推奨されます。ただし、これらは一般的な例であり、実際には個別の状況を考慮する必要があります。 特に、将来の昇給予定や社会保険の扶養限度額なども考慮に入れて検討することをお勧めします。 なお、扶養の変更は年の途中でも可能ですが、税金や社会保険の手続きが必要ですので、変更の際は会社の担当部署や税務署に確認することをお勧めします。
まとめ
今回の対象となるのは、年間100万円を超えて給与をもらっていて住民税が発生している方です。Aさんのケースでは、子どもを妻の年少扶養にすることで住民税非課税の恩恵を受ける可能性があります。 ただし、家族手当の有無によっては、世帯全体の手取りが減少する可能性もあるため注意が必要です。所得税や社会保険料についても、考慮すべきです。具体的な金額や税額の確認については、家計全体を考慮しながら、税務署や市区町村の窓口で確認をお勧めします。住民税と所得税の違いを理解し、賢くお金を管理しましょう。 最後に、扶養選択の判断を行う際のチェックリストを作成しましたので、ぜひ活用してください。 【扶養選択の判断チェックリスト】 □ 会社の家族手当制度を確認した □ 住民税非課税の判定基準を確認した □ 社会保険への影響を確認した □ 世帯全体での収支を計算した (注)当コラムは、2024年12月15日現在の税制をもとに作成しています。今後の税制改正により年少扶養控除の内容が変更される可能性もあるため、常に最新の情報を確認してください。 出典 (※)横浜市 住民税税制改正のお知らせ(令和3年度実施分) 住民税の非課税基準の見直し 執筆者:植田周司 CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、円満相続遺言支援士(R)
ファイナンシャルフィールド編集部