ルーマニア極右候補、首相と決選投票へ 大統領選第1回投票
【AFP=時事】24日に行われたルーマニア大統領選の第1回投票で、親ロシア派の極右候補カリン・ジョルジェスク氏が予想外の躍進を見せ、親欧州派で中道左派のマルチェル・チョラク首相との決選投票に進む可能性が高くなった。25日早朝に発表された暫定結果で明らかになった。 【写真】ルーマニア・ブカレスト郊外のジラーバ刑務所を訪れた元受刑者 開票90%の時点での得票率は、ジョルジェスク氏が22%で首位、チョラク氏が21.1%と僅差で追っている。第1回投票で過半数票を獲得する候補がいなかった場合、上位2人が来月8日の決選投票に臨む。 もう1人のナショナリスト候補ジョルジェ・シミオン氏は現在4位につけている。ジョルジェスク氏と合わせて約3分の1の票を極右が獲得する形となっている。 ルーマニアの大統領職は主に儀礼的な役職だが、政治学者のクリスティアン・ピルブレスク氏はAFPに「今回の選挙では極右が圧倒的な勝者だ」と語った。 北大西洋条約機構(NATO)加盟国の中で、ルーマニアはハンガリーやスロバキアと一線を画し、これまではナショナリスト的な姿勢にあらがってきた。今回の選挙結果は、政治的な激震をもたらしそうだ。 ウクライナと650キロにわたって国境を接するルーマニアは、2022年のロシアによるウクライナ侵攻開始以来、存在感を増している。 ルーマニアのシンクタンク「ニュー・ストラテジー・センター」は、同国は現在、NATOにとって「極めて重要な戦略的役割」を果たしているとし、NATO軍5000人強の駐留拠点であると同時に、ウクライナ産穀物の輸送ルートにもなっていると指摘する。 ジョルジェスク氏は動画投稿アプリ「ティックトック」で、ウクライナ支援の打ち切りを呼び掛け、大統領候補として急浮上。ルーマニアがNATOに加盟していることにも懐疑的な見解を示している。【翻訳編集】 AFPBB News