耐震化されていない家は 「平行四辺形になろうとする」 壁が外れて柱だけに 専門家が見た被災地 能登半島地震
(名大・福和名誉教授) 「杭(くい)があったところなんです。横に建物が倒れようとすると、昔の杭は建物の重さを支えているだけで、くっついていないのでとれてしまった」 建物を地盤に固定している杭が折れたか、土台から抜けたと見られます。 現場には、国土交通省の現地対策責任者も訪れていました。 (大石アンカーマン) 「国として、これをどう復旧、復興させていこうという道筋は」 (国土交通省 政府現地対策本部 森本励総括) 「国も自治体の支援をしながら、一刻も早く復旧できるようにしっかり対応していこうと思っている」 このビルは1972年完成で、いわゆる「旧耐震基準」で建てられた建物。 同様の地震があった場合、全国どこでも、古いビルは同じように倒壊しないのか、そんな心配も。 ■「現行の耐震基準」の家がほとんどない 【2月5日】 そして、輪島市と並んで大きな被害が出た能登半島の先端、珠洲市。 (大石アンカーマン) 「2階建てのお宅で、1階がつぶれてしまって」 (名大・福和名誉教授) 「見てみると、柱が梁(はり)から抜け出している。ここは残念ながら(現行耐震の)2000年以降の家がほとんどない。それは多分、高齢化して、過疎化して、新しく住む人がいないので、ほとんど立て替えが進んでいない」 輪島市同様、耐震化が遅れていた住宅がことごとく倒壊しています。液状化でマンホールが地表から突き出た場所も。 そしてしばらく行くと… (大石アンカーマン) 「海藻がついている」 (名大・福和名誉教授) 「全体的に向こうに(津波の)力がかかった様子がよく分かる」 津波による破壊も起きていました。 海水浴の砂浜が広がっていたこの辺りには防波堤もなく、高さ4.7メートルの津波が襲いました。 (大石アンカーマン) 「揺れてすぐ来たわけでしょ、1分で。逃げられないですよね…こうなっちゃうんですね、町が。普通に暮らしていたでしょうに…」 あらゆる地震災害に見舞われた能登。全力で復興を支援しつつも、来る南海トラフ地震に備え、何を教訓とするかが大きな課題です。
2024年3月11日放送 CBCテレビ「チャント!」より
CBCテレビ
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