耐震化されていない家は 「平行四辺形になろうとする」 壁が外れて柱だけに 専門家が見た被災地 能登半島地震
■“建物の倒壊”と“火災” 不幸がたくさん重なってしまった 【2月4日】 次に訪れたのは輪島市。 (大石アンカーマン) 「危険の張り紙、ここも危険の張り紙が。そして、ここは1階がつぶれている」 (名大・福和名誉教授) 「梁(はり)の様子がよく分かりますよね」 ここでは「建物の倒壊」と「火災」。 最大震度7の揺れによって、3300棟以上の建物が全壊。そして、地震後の漏電が原因とみられる大規模火災で200棟以上が焼けました。 (大石アンカーマン) 「これだけ広範囲で火災が起きた理由は?」 (名大・福和名誉教授) 「建物がたくさん壊れたこと。さらに断水、そして大津波警報で、住民は逃げざるを得ない。道を建物が塞いだり、地盤が隆起していて消防車両も入りにくい。倒れ込んできた建物が延焼しやすくもしている。不幸がたくさん重なってしまった」 ■“耐震化の遅れ” が被害の大きさに 地震の前、ここには人で賑わい、奥能登の観光名所でもあった「輪島朝市」がありました。 ことごとく倒壊した木造の住宅。柱や梁が抜けていたり、柱を固定する金具もなかったりと、古い耐震基準や耐震化されていない建物だったと見られています。 (名大・福和名誉教授) 「横の揺れに対して抵抗する硬い壁が外れると、柱だけになるので、平行四辺形になろうとする」 背景にあるのが“耐震化の遅れ”。能登は特に遅れていた地域で、全国平均の87%に比べ、半分ほどしか進んでおらず、このことも被害の大きさにつながりました。耐震化の重要性を改めて物語っています。 ■鉄筋コンクリートビルが倒壊 「昔の杭は建物の重さを支えるだけ」 そして、大きな衝撃を与えたのが、鉄筋コンクリートビルの倒壊。 (大石アンカーマン) 「7階建てのビルが道路側に倒れてきています」 (名大・福和名誉教授) 「柱の上、柱頭(ちゅうとう)が折れています。この柱がポイント」 地上7階建てのビルは完全に横倒しになり、「フーチング」と呼ばれるビルの土台まであらわに。 裏側に4つから5つの穴が見えています。これは…
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