マグニフィセント・セブンでも明暗、4つの理由が米株バブル懸念緩和
(ブルームバーグ): 米国株が年初から急ピッチで駆け上がっていることで、ITバブル時代のような市場の過熱リスクを懸念する声が上がっている。
株高のペースが持続不可能ではないかと疑う理由は十分にある。S&P500種株価指数は今年に入り終値で16回最高値を更新。これは全取引日の約3分の1に相当する。人工知能(AI)ブームのけん引役であるエヌビディアの株価は、前週末8日の急落を加味しても、年初来で80%近く高騰。時価総額は約1兆ドル膨らんだ。暗号資産(仮想通貨)ビットコインも急騰している。
とはいえ、経済の回復力と堅調な企業利益に基づく力強さが、投機的な熱狂に変わっていない兆候もある。
米国株の主役だった「マグニフィセント・セブン」の間でも温度差が出ており、投資家がやみくもにマネーを投じていない兆候を示している。新規株式公開(IPO)への反応が鈍いことも、こうした見方を裏付けている。大型株上昇の影響を希釈する均等加重のS&P500種指数も最高値を更新。株高の裾野が広がっていることを示している。さらにS&P500種を構成する大型株のバリュエーションも、前回のピーク水準は大きく下回っている。
シティグループのスコット・クロナート氏はリポートで、マグニフィセント・セブンがS&P500種構成銘柄の利益のうち、約20%をたたき出している点に言及。これは時価総額のウェートがS&P500種の約3分の1であることをほぼ正当化すると話す。
その上で「足元でAI構築が進んでいるように、当時はネットインフラを構築するという前提があった」としつつも、「これを支える企業の収益とキャッシュフローの性質は著しく異なる」と述べている。
以下、バブル懸念を和らげであろう4つのチャートを解説する。
大型株の間で明暗
アップル、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラの7社で構成するマグニフィセント・セブンは昨年の大半において足並みをそろえて上昇。市場全体をけん引してきた。