死刑囚として初めて再審無罪となった免田栄さんが獄中で読んだ本約1000冊が熊本大学に寄贈されました。 　1948年に、熊本県人吉市で一家4人が殺傷され現金が奪われた強盗殺人事件、いわゆる「免田事件」で、免田栄さんは逮捕され、死刑判決が確定。1983年に死刑囚として国内で初めて再審無罪となりました。 免田さん（生前の言葉） 「みなさんのおかげで、自由社会に帰ってきました」 　獄中では読書に明け暮れた免田さん。拘置所内のスケジュールが書かれた紙をしおりにしていたと思われる本や、読むことを許された許可証が貼られた本など、現在残されているものだけでも約1000冊。ジャンルは様々で免田さんがつけた鉛筆の印なども確認できます。 　無実を訴え続けた死刑囚が、常に死と隣り合わせの獄中で、どんなことに関心を向け、何を考えていたのか。 　4年前の2020年、免田さんは95歳で亡くなっています。講演などを通して冤罪の防止を訴えてきた免田さん亡き今、司法の在り方や冤罪事件について、多くの人に関心をもってもらうため、支援者などが保管していたものが熊本大学に移されました。 　今後も保存・整理活動を続け、2025年度中の一般公開を目指します。