「SCALE」の部屋では、形や色などとは異なる、「大きさ」に注目した作品を紹介。ホッチキスの針を1/24スケールで見ると書類の束に見え、1/2500スケールで見るとビルに見えるなど、同じモチーフでも印象に変化をつけることで印象に変化することを証明する。

「LIFE」の部屋は、寿司やアイス、ソーセージなどが買い物客や店員に擬態した仮想世界をテーマにした著書『おすしが ふくを かいにきた』（白泉社）の世界を表現している。新しい洋服を買いにきたマグロの刺身を着たお寿司が、エビやサーモンを前に、どのネタに着替えるか迷っているシーンを表現したミニチュアなどを展示する。

なお、同展の開催にあたり、田中は下記のコメントを発表している。 「『どうしてアイデアが尽きないのですか？』私はよくそう訊ねられます。2011年から毎日作品を発表している中で、どうやって頭の中で見立てのアイデアを探し、組み立てているのかを意識できるようになりました。今回の展覧会に『みたてのくみたて』というテーマを選んだのは、皆さんの質問に自分なりの答えを示したい気持ちがあったからです」

存分に田中の見立ての世界を体感すると共に、その答えを探りに〈日本橋髙島屋〉に足を運んでみたい。 8月1日、2日両日は13時から本館1階正面ステージにて、「田中達也氏　アーティストトーク」（無料）が予定されている。

『田中達也展 みたてのくみたて　MINIATURE LIFE MITATE MIND』

〈日本橋髙島屋〉本館 8階ホール •東京都中央区日本橋2-4-1。2024年8月1日～8月28日。8月21日休。10時30分～19時。※8月28日は～17時30分。会場にはフォトスポットにもなる大型作品も複数展示。オブジェと一緒に撮影することで、自らがミニチュア人形になったかのような疑似体験ができる。前売券は一般 1,000円ほか。当日券の場合、一般1,200円ほか。